花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (69)

想い出の唐揚げ弁当

先日、上野のカレー屋「エース」で唐揚げカレーを食べたときのこと。
BGMは郷ひろみの「マイレディ」。
上野は、なんか「昭和」が沁みるなあ。
ビールを飲みながら出てきた唐揚げに、さらに懐かしさを感じた。

一個一個が結構大きい。

思い起こせば、30年前、「鍵っ子」小学生の昼食の楽しみは「唐揚げ弁当」だった。
民家を改築したような弁当屋で、注文を聞いてから作っていた。
確かに時間は待たされたが、子どもながらに、そのワクワク感が、いまでも記憶にある。
発泡スチロールの弁当箱にはみ出さん限りの唐揚げが、とても嬉しかった。
確か350円だった気がする。それ以来、唐揚げは大好物になった。

今、唐揚げはあまり美味しいと感じることがなくなった。
特にコンビニ弁当や、ファーストフードの唐揚げは、
正確に大きさ(重さ?)を測るためか、小さく細かい。
また、消費期限を長くするため、保存剤(あのシュッシュッとやるやつ)
を見るとさらに食欲が減退する。

個人で細々とやる弁当屋も影を潜めつつある。
小さな「よろこび」も、経済の法則によって駆逐される。

システム化されたお仕着せの「幸せ」は得てして苦痛に感じることもある。
それがワンパターン化された言葉で「安心」や「安全」を売りにしたら、
さらに言葉は空疎になる。

人はいつしか「よろこび」を感じなくなるのではないか。


第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、
      国会議員の中から選ばれなければならない。
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