花鳥風月記

流れる水に文字を書く

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

JOURNEY 「REVELATION」

もし音楽の神様を信じるならば、この「天啓」に涙する信者は後を絶たない。 数寄屋橋HMVに久々に足を延ばし、JOURNEYの新譜を見つけたとき、 「まだニール・ショーンは足掻いているか」という スティーブ・ペリー好きの自分がいた。 彼がいないと…

歩いても歩いても

シネカノン有楽町1丁目にて。 長男の命日に、長女・次男家族が法事にやってくる2日間を描いた。 実家を二世帯住宅にしようと案じている長女。 優秀な兄に引け目を感じ、失業中で子連れ再婚という居心地悪い次男。 家族全員がどことなくぎこちなく、それで…

ミス・サイゴン

帝国劇場にて。 ミュージカルはめったに観に行かない。 カテゴリーもないので、「展示会・イベント」にした。 前回の思い出というのは、つかこうへいの「飛龍伝」というもので、 調べたら、1994年だったので、じつに14年ぶり、ということになる。 確か主演は…

天安門、恋人たち

渋谷イメージフォーラムにて。 中国国内での上映が禁止され、上映されたヨーロッパでは 高い評価を受けた、とのこと。 ただ、パンフレットの映画評が米国に偏っているのは ちょっといやだなあ、と思った。 映画の題にあるように天安門事件を扱うということも…

高石友也「死んだ男の残したものは」~想い出の赤いヤッケ

以前、ここで触れた「死んだ男の残したものは」は 高石友也が歌っていた。 ここならあるだろう、と思った高田馬場ムトウで置いてなく、 今日やっとタワーレコード新宿店で購入。 この「想い出の赤いヤッケ」のアルバムには、 あの「受験生ブルース」は入って…

愚短想 番外編 浅草三岩

浅草を歩いていたとき、懐かしい名前に遭遇した。 三岩。高田馬場では、結構お世話になった。 客が増えすぎるのを嫌うと、勝手に閉店にしてしまう。 それでも「常連」は中に入れて、ビールを出してくれる。 客を多くいれない分、ゆっくり落ち着いて飲むこと…

日本国憲法百景 (63)

寸鉄は短い もう10年くらい前に、職場にシンクタンク(総研)が入ったことがある。 世の中はリストラクチュアリング(再構築)、要は「リストラ」が流行っていた。 企業を診断し、悪いところ(不採算)は切り、良いもの(高収益性)に特化する、 そういったシナリ…

愚短想 番外編 ゴーゴーカレー

ここのカレーは毎年夏に1回くらい食べる。 食べる度に後悔する。「ああ、むねやけがする…」 店舗の前には日経トレンディの「カツ」「ルー」「ご飯」の3冠達成 という文字が躍っている。 今年も梅雨が明けたので、久々に入店。 チキンカツカレーのビジネス…

愚短想(106) 書泉西葛西閉店に思う

7月21日、書泉西葛西が閉店した。 7月に入って気づいたため、あっという間の出来事だった。 西葛西は、人口の割には、図書館が乏しく、 かつてより「インドのテレビ普及率なみ」と思っていたが、 最近では、電子立国インドのテレビ普及率はかなり上昇し…

伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』

祥伝社文庫。映画にもなった。 映画館の爆破未遂事件という、ひょんなきっかけから 銀行強盗グループを結成する4人のコメディタッチで 痛快なストーリー。 少しハラハラさせつつも、意外なほどにあっさりと ストーリー展開してしまうところが、今までの伊坂…

松田聖子 「制服」

シングル「赤いスイートピー」のB面に入っていた。 作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂(松任谷由美)というお決まりのコンビ。 この曲を聴くと、卒業式の情景がふんわりと浮かぶ。 高校生の時、バンドを組んで、松田聖子のコピーなどもしていた。 アイドルものと侮…

愚短想(105) 暴走王キティ

ご当地モノ、というのがある。 その地域独自性を活かしたものなのだが、 最近は、一般的な商品のご当地バージョンが非常に多い。 それはそれとして一種の「シャレ」やコレクターの心を捉えるのに 良いのかもしれないし、ふとしたミスマッチングが 「大ウケ」…

愚短想 番外編 珉珉(みんみん)@東京駅地下

銀座のロイス・カフェが閉店になっていた。 ここのところ、イノダコーヒーに浮気していたのがいけなかったのか…。 銀座ファイブというあまり目立たない場所で、あまり混んでなく、 落ち着いてベトナムコーヒーを飲める理想的なカフェだったのに…。 銀座・有…

愚短想(104) 野菜は贅沢品?

最近は、肉より野菜を食べるようになってきた。 野菜をむしゃむしゃ頬張ることに喜びを感じ、 減ってくる体重にさらなる喜びが増す。 半年を待たずに10キロ減となった。 しかし、新たな問題が生じている。 野菜は結構高い、気がする。 割と常食に近かった…

愚短想 番外編 立ち食いそばやのソフトクリーム

職場に向かう途中に、いきつけの立ち食いそば屋がある。 6年前に足を骨折して、松葉杖をつきながら、高田馬場から 3分少々の道のりを20分かかっていた。 その時に、ビバークを兼ねて立ち寄ったのが、 いきつけになるきっかけだった。 いつも「ちくわそば…

日本国憲法百景 (62)

ケーキは嗤(わら)う 先ずはまんまるのケーキを5分の3に切る。(投票率) そこから半分捨てます。(死票率) さらにその3分の2を切り取り(衆議院)、 またさらに3分の2を切り分ける(再議決)。 けれど、ズルをするのもいるので、実際はこれより小さい。(欠席…

愚短想 番外編 グレープフルーツのプリン@イノダコーヒー

銀座で映画を観た後は、有楽町からそぞろ歩きで東京駅へ。 大丸の8階のイノダコーヒーは、散歩ルートと化している。 窓際に陣取り、見慣れないグレープフルーツのプリンを注文。 コーヒーは「コロンビアのエメラルド」にする。 プリンは、大人が好むような…

伊坂幸太郎 『ラッシュライフ』

伊坂幸太郎の2作目。 エッシャーの騙し絵がモチーフになっているように、 およそ5つのストーリーが、複雑に絡み合うような ミステリーに仕上がっている。 思わず、紙にチャートを書いて目で追っていきたくなるような展開。 どことなく寓話的で、かつ運命的…

愚短想 番外編 すき家のコーヒー

牛丼チェーンの中で、ひたすらカルト的なメニューの光る「すき家」。 ここ最近富士そばにかわって足を運ぶようにしている。 遅番シフトの場合、夕方前後に食す「昼飯」がその日の晩餐となる。 「うな牛丼」:うな重に牛丼の具が乗っているだけの代物。そこま…

日本国憲法百景 (61)

日傘を差す男 梅雨の晴れ間は、じりじりとくるものがある。 雨の予報もあったので、傘も持っていった。 あまりに陽射しが強いので、「日傘」にしてみた。 今までなじみがなかったが、差してみると結構和(やわ)らぐ。 半径75センチある大きな黒い傘は、くっ…

愚短想(103) ねんきん特別便―「安心」の背景

遠いテレビの世界のことと思って、実は身近にあったこと。 「ねんきん特別便」が自分にも送られてきた。 年明けに来ていたが、郵便物に無頓着なこともあり、 半年近く放置していた。 先日、督促状のようなハガキがきて、ようやく重い腰を上げる。 まず、専用…

棚橋俊夫 『野菜の力 精進の時代』

きっとこれからの生涯で、 行けなかったことを後悔してやまない 「月心居」の棚橋氏による本。 料理の本(レシピ)ではなく、むしろ精神のレシピのようなもの。 氏の裏打ちされた哲学と信仰に基づいた「骨太の」エッセイ。 突き詰めれば、哲学であり、エコであ…

愚短想(102) 人間ドック、かくも長い一日

朝5時半に起き、8時に大久保。朝食抜き。 健康診断の朝は、やはり不健康な迎え方だといつも思う。 今年は少し楽しみがあった。 体重が減っていたからだ。 ここ数日は、4時以降、絶食にしていたが、 前日昼食抜きだったので、さすがに食べた。 おかげで昨…

スピード・レーサー

銀座のサロンパス・ルーブル丸の内にて。 昨日封切りの日曜なのに、客の入りは少ない。 ちょっとストライクゾーンが狭いのか。 業者が入口でアンケートをしきりに取っていたのが、 「大コケ」を暗示させる何かを醸し出していた。 とはいうものの、正直なとこ…

愚短想(101) 洞爺湖サミットに思う

拝啓 窪山哲雄様 先進国首脳会談の会場に、 「ザ・ウィンザーホテル洞爺」が選ばれて 良かったですね。 宮崎シーガイアの惨憺たる状況をみると、 ほんとうにそう思います。 TVの特集であなたを見て、 あなたが書かれた「プロジェクト・ホテル」を読んで、 …

日本国憲法百景 (60)

死んだ男の残したものは 仕事場の机を整理していたら、一枚のコピーが見つかった。 4年前に金平茂紀氏の「ホワイトハウスから徒歩5分」という HPから印刷したものだった。 谷川俊太郎の詩に武満徹が曲をつけた「死んだ男の残したものは」という唄。 死ん…

日本国憲法百景 (59)

コンクリートに息絶える虫 洞爺湖サミットのおかげで、そこかしこに警察官が立っている。 最寄りの駅はおろか、トイレまで見回りに来ている。 遠い北海道のことではないのか、と思いながら、 ここまで神経質にならなければならないのはなぜ?とも勘繰りたく…

山崎ナオコーラ 『長い終わりが始まる』

大学でのサークル活動(マンドリン)を舞台にした小説。 著者本人の出身校でもある國學院大學の設定だろう。 サークル活動って、中学・高校の「部活」よりも本気度は高くない。 でも時に熱中する子もいる。 マンドリンを一心に弾きたい主人公が、大学での4年…

桐野夏生『東京島』

世界一周クルーズから一転、難破して無人島にたどりついた人間を扱った小説。 31人の男と1人の女。 狭小世界で繰り広げられる権威・権力と愛憎が渦巻く物語。 最初の印象は、無人島の「渡鬼」。 次に感じたのは『火の鳥 望郷編』。 それらがよりリアルに…

僕の彼女はサイボーグ

銀座のサロンパス・ルーブル丸の内にて。 サロンパスのCMがバンバカ流れるのは、この映画館だけだろう。 1日は映画デーだったので、たまには「売れ筋」映画でも、と思い観る。 映画の封切前にTVに出ずっぱりのプロモーションは正直辟易する。 (特に三谷…