花鳥風月記

流れる水に文字を書く

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

愚短想(64) イカ天の思い出

今年最後は映画でも、と思い、以前友人から借りたDVDを見ようとしたが、 大掃除やら何やらで、時間がとれず、おまけに、「イカ天」の特番がある、 とのことで、ついつい見てしまった。 イカ天は1989年から1990年まで、続いたTBSの深夜番組。 素人のバンド勝…

川上未映子 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』

今年の「読み収め」の本は、 川上未映子の最新刊となった。 短編小説集というか、詩的な要素もあるので、一概にジャンル分けができない。 正直、脳みそ(頭蓋のなか)を駆け巡る言葉もあり、読むのに大変なところもあったが、 やはり、すごく鋭利な文章だった…

愚短想(63) メガネと高木ブー

今日は、気づけば、職場全員がメガネをかけていた。 珍しくもあり、写真に収めた。 「メガネは顔の一部です」というフレーズはいつの間にか 日本社会のDNAとして刻まれているような気がする。 かけるメガネ一つで表情が変わることがある。 福助の社長をして…

伊藤千尋 『反米大陸』

伊藤千尋の最新刊。 この本は、中南米の近現代史を分かりやすく解説していると同時に、 「アメリカ外交黒書」的な側面をもつ。 今の中南米の貧困がいかにして生じたか。「自由の国 アメリカ」のまさに裏側が 余すとこなく書かれている。 中南米にアメリカ資…

日本国憲法百景 (33)

ことばはどこからくるか ―ほとばしる激情を癒す手段はあるか― ことばは、頭で考え・発しているようでいて、 実は発しているのは身体の各部位にあるのではないかと思う。 大雑把だが、頭・心・腹・生殖器(股間)・血にあるのでは、と考えている。 (例えば、「…

ヤドランカ 「音色」

映画「サラエボの花」を見た際に、岩波ホールで購入。 10月に発売されていた。 以前、ヤドランカのことは書いたが、改めて、最新のアルバムを聴くと、 透明感のある歌声と、西も東も入り混じる音楽構成が良い。 俳句にインスパイアされた曲も、何か句の風景…

愚短想(62) ホッピー・クリスマス

「クリスマス・イブに、ホッピーはやめて!」 先日読んだ本で、心に染み入る言葉が、記憶に鮮明に残っていた。 ので、クリスマス・イブの今日、ひとりホッピーに興じた。 今回は、合わせる焼酎に、キンミヤ焼酎を選んだ。 そばのコンビニでで、割引処分、2…

山崎ナオコーラ 『人のセックスを笑うな』

作家名とタイトルにインパクトのあった思い出があったが、 もう出てから3年が経っている。 今度映画化される、ということで、読んでみた。 当初は「勝負パンツを脱いだときが、勝負である」というような 何か格言ばったような内容かと思いきや、意外にもさ…

君の涙ドナウに流れ

有楽町シネカノン2丁目にて。 有楽町イトシアに新しくできた映画館。 元のシネカノンの場所に近い。 ただ、狭いテナントに無理に2スクリーンをいれたせいか、 待ち合わせにしては、ロビーが狭く、椅子も無い。 20分前に来たならば、20分間立ちっ放しになる…

サラエボの花

神保町の岩波ホールにて。 最初3分程度、遅れてしまった。 日本の映画タイトルと原題に若干の違いがある。 舞台は、ボスニア。ユーゴ内戦の後遺症が色濃く残りながらも、 人々は生活の糧を得るために、細々と生活を営む。 そして、その家庭環境ですら、内戦…

愚短想(61) 清澄白河から門前仲町へ

今日は、神保町で映画を見て、その後、小学校時代からの友人のお店に行こうと思った。 今年の春先、20年ぶりの再会を果たした。彼は、2年ほど前から、 清澄白河で、「シー・ビスケット」というカフェのマスターをしていた。 午後4時には、店じまいという…

日本国憲法百景 (32)

「彼ら」と「私たち」 その目に見えない一本の境界線が、距離感を厳密に支配する。 近年、「私」や「私たち」を決める思いが、かなり強くなっている。 「私」を認める、「私たち」を求め認知すること、これに全てがかかっているような 脆弱な人間心理が、社…

日本国憲法百景 (31)

地図に残る仕事 大成建設のCMで「地図に残る仕事」というものがある。 ずっと前にも同じキャッチフレーズでCMをしていた。 父親(あるいは旦那・彼氏)が誇らしげに「これは僕が作ったんだ」 ということをさりげなく(かつ大げさに)言う。 企業のイメージアップ…

愚短想 番外編 喜界島

芋焼酎がどうやらブームらしいので、少し別の酒を飲もうと思った。 今回購入した喜界島は、黒糖を原料としている。 甘みがあるのか、と思いきや、わりとクセの強い酒だった。 地酒らしい地酒、といったところか。 ラベルも南国情緒ゆかしい感じ。 何よりも、…

織田裕二 『脱線者』

この本は特に買おうと思って買った訳ではなかった。 そもそもは、先日の麻布十番に行った時、土産の浪花屋の鯛焼きが 20分待ちだったため、近くをぶらついて入った本屋で見かけた。 プロフィールに12月13日生まれとあり、たまたまその日で、 何か縁が…

川上未映子 「乳と卵」

文学界12月号所収。 金平茂紀氏が、「新しい小説家の誕生」と自身のブログにて、 悲痛な叫び?に近い宣伝をしていた。 ここ一週間、川上未映子にまみれて、ようやくその意味が分かった。 今回は構成がしっかりしている。物言わぬ姪の緑子、豊胸手術に夢中…

PEACE BED アメリカVSジョン・レノン

六本木TOHOシネマにて。 ジョン・レノンのドキュメンタリーではあるものの、今までとは違うのは ベトナム反戦運動などで、社会的に揺れ動いたアメリカで、 彼も、国家との戦いがあった、ということだった。 盗聴や監視、そして、強制退去などの様々な国家の…

愚短想(60) タオルを持って、六本木へ行こう

寒くなった今日この頃。温泉でも、と思うものの、そんな贅沢も許されず、 それでは都会でチープに(時には少し出して)行こう、と思った。 そう、先ずはカバンにタオルを忍ばせた。 六本木TOHOシネマで、ジョン・レノンの映画を観る。 2時からの回、ぎりぎり…

川上未映子 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』

初の小説集、とのこと。 タイトルにもなった「わたくし率 イン歯ー、または世界」のほか、 短編の「感じる専門家 採用試験」を所収。 奥歯に人間の考える全て、そこには守られるべき「何か」を仕舞い込む、 という妄想?から、さまざまなシーンが展開する。 …

愚短想 番外編 じげん@高田馬場

職場の至近距離にあり、普段は行くのを躊躇われたが、 今日は、何となくチャンス、と感じて、アルバイト学生と行く。 元は、肉屋の「新橋屋」だった場所だ。 職場の同僚が当時、よくここの弁当を買っていた。 一度だけ、カツ煮込みを食べたことがある。庶民…

川上未映子 『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』

「文筆歌手」(川上)未映子の3年間のブログが書籍化されたもの。 以前、「縦書き」と「横書き」について書いたことは、 実はこの本を読んで感じたことだった。 そう思って、今日銀座の旭屋書店に行ったら、 伊東美咲のブログ本が平積みになっていて、 ちらと…

愚短想 番外編 マヨポテトの告白

最近、読書の友としてボリボリ食っているのが湖池屋の「マヨポテト」。 少し癖になっている。 「マヨっていいよね!」というキャッチコピーがなんとなく気に入っていた。 今日、また買おうとしていたら、キャッチが違う。 「マヨわず買ってね★」。 なんだ、…

日本国憲法百景 (30)

「寛容」の彼岸 「寛容」という言葉が嫌いである。 なぜなら、「寛容」は無関心の裏返しだからだ。 何か問題があるときにやさしく包み込もうをするその姿は、 無条件に対象を愛する行為(いわゆるアガペー)なのか それとも、目の前の問題を包み隠そうとする邪…

愚短想(59) 縦書きと横書き

今年も色々と本は読んだつもり。 今年も多くの本が書店に並び、 一体、どれだけの本が読み切れただろうか。 最近の流行は、ブログの書籍化だが、 そこで改めて 縦書きと横書きの違いを感じた。 今、ネットで出回る文字のほとんどが「横書き」になっている。 …

愚短想(58) アニソン礼賛

とうとうパソコンが壊れてしまった。 修理できるか、復旧できるか。 ………………………………………………………………………………………… 1時間後、なんとか復旧。パソコンの機嫌を気にしなければならなくなった。 ………………………………………………………………………………………… 今日は、休みだったので外に出ずまっ…

佐藤可士和 『佐藤可士和の超整理術』

今日は、23時過ぎまで残業して、午前様帰宅。 晩御飯を食べずに、ホッピーを飲んで、これが結構まわっているので、 やや酩酊気味な文章になるかもしれない。今も気分が良い。 肩書きは、アートディレクター、クリエイティブディレクター。 仕事をするにあ…

愚短想(57) 初冬のサイクリング

今日は天気は良かったが、昼過ぎまで家でゴロゴロする。 12月で、年末と元旦は仕事なので、早めに大掃除を、と思い、 とりあえず目障りになっていた雑誌や郵便物などを処分。 それだけでも、結構時間がかかる。 ひと段落ついたのが15時過ぎ。どこにいく…

愚短想(56) 足折り注意報

今日も、銀座のロイス・カフェに行こうとしたら、 はす向いの「南蛮屋」という店が気になり、入る。 コーヒー豆の販売を中心とした喫茶具雑貨店だった。 このお店は、23区内では、この銀座のみ。 厚木の離れたところにに本店があり、神奈川県内に20箇所…

愚短想(55) 電車内考

先日の「タモリ倶楽部」で、地下鉄の特集をしていた。 普段、業務用としてしか使われない連絡線を利用して、 南北線―有楽町線―千代田線と、同じ車両(特別列車)で走る、というもの。 「鉄好き」の人が集まっての企画だが、そういう人でなくても、 見ていて…

日本国憲法百景 (29)

労働からの「自由」 ここ最近、仕事の疲れがたまりやすくなった。 まだ老け込む歳でもないが、それにしても、10年前のようにはいかない。 「無理」をしたくない、と思い始めたのはいつごろからだろうか。 働かずに暮らす、ということを考えると、魅力より…