花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 じげん@高田馬場

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職場の至近距離にあり、普段は行くのを躊躇われたが、
今日は、何となくチャンス、と感じて、アルバイト学生と行く。

元は、肉屋の「新橋屋」だった場所だ。
職場の同僚が当時、よくここの弁当を買っていた。
一度だけ、カツ煮込みを食べたことがある。庶民的なお店だった。
しかし、裏通りになる、小さなお店の寄り合いでは、
生き延びることが難しかったのか、または、店主の都合なのか、
いつの間にか、新橋屋はなくなってしまった。

ちなみに隣の立ち飲みやの場所が、思い出ある「うっちゃんラーメン」だった。

お店はカウンターと、テーブル席(といっても2人用が数席並ぶくらい)の
こじんまりとしたところだった。
ここも、券売機で、食券を買うのだが、中古品を流用しているのか、
お札がなかなか入らない。思った以上に券売機がグルメだった。
その場に居合わせた三谷幸喜似の紳士が、お札を替えてくれて、何とか購入できた。
らーめん(大盛りはサービス)と湯餃子とビール。
種類はラーメンとつけめん、そして「濃厚ラーメン」と「濃厚つけめん」があるのだが、
「濃厚」は味が安定しないため、しばらくは販売延期、となっていた。
湯餃子150円はわりとリーズナブルに感じた。まあ、3個だけど。食感が良い。
ラーメンは、かつおだしをメインとして、中太麺。
しなちくはブロック切で、他にほうれんそうと、チャーシュー。
チャーシューはバーナーで炙っていた。

バーナーは正直パフォーマンスなのかな、とも思う。
それにしても、かつお?と思われる粉末をちょっと入れすぎじゃないの、
と思った。若干苦味が残ってしまっている。

味は、特に印象になかったが、アルバイト学生は「美味い」と言っているので、美味いのだろう。
それよりも、一つひとつというか、部分部分の仕事が気になった。
最近、麺の湯きりは、そこの深い網を振って切るのが当然のようになってきているが、
本来なら、平らな網で、麺を踊らすよう切るのが正当だと思っている。見てて楽しいし。

いくら、肩の上から、ジェット湯きりといっても、それは修行不足の裏返しではないか。
勿論、それでも美味いものは美味ければ、文句は無いのかもしれないが、
では、濃厚ラーメンの味が安定しなくて、今食べるラーメンの味が安定している保証は
どこにも無い。

大上段に構えていってしまうと、なんか最近のラーメンは、味に個性を出そうとして、
いろんな食材にこだわりがあるみたいだが、案外、基本的な料理の技術みたいな基礎は
抜けてることが多いのでは、とも思ってしまう。

人は、モノを選ぶことが出来る。けれども、その選んだモノに対して、
そのクオリティを充分に引き出す、己の力を発揮できなければ意味が無い。
何時間、煮込もうが、何を入れようが、刻み・煮る・切るの基本がダメだと、
きっとダメだと思う。(こんなことを言いつつも自分が料理が得意なわけではない…)

いやあ、高田馬場はラーメン屋が多いけれども、こんなに多いのはどういうことか、
ということを考えると、何も味の違いがどうこういうより、ほんとうに美味しいのは
何かをもっと素直に感じられたらなあ、と思う。
今回は、ズバリ!いまいち。がんばれ、じげん。