花鳥風月記

流れる水に文字を書く

川上未映子 『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』

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文筆歌手」(川上)未映子の3年間のブログが書籍化されたもの。
以前、「縦書き」と「横書き」について書いたことは、
実はこの本を読んで感じたことだった。

そう思って、今日銀座の旭屋書店に行ったら、
伊東美咲のブログ本が平積みになっていて、
ちらと見たら、横書きのままだったが、
ほんとうにブログそのまんまのレイアウト
(見ていないけど、きっとそうだろう)になっていた。
ある意味これ反則、と思った。
※けど当人に「買って」といわれたら(⇒ありえません)、
 何の迷いも無く財布を開けるであろう。余談。

最初「文筆歌手」の文字変換が「分泌歌手」となって、
ある意味、この本はいろんなものが分泌されているなあ、などと、思ったりした。

とにかく凄いというか…。その凄さをどうこういうのもおこがましく、
何か後頭部をパアーン!と痛打されたようで。
それが時には、巨大ハリセンだったり、鈍器だったりした。
そういえば、この人は頭蓋マニアでもある。

HPの写真と本の帯写真のイメージは全く違い、
本の帯写真は「分泌」にこだわるわけではないが、
どことなくゲロ臭さを感じた。
分泌・嘔吐・排泄。そういったものが噴き出しつつもどこか美しい。

美しさで言えば、音楽活動で組むユニットCOTUCOTUの
坂本弘道を美しいと言っていた。
私の知る坂本弘道、吉祥寺MANDA-LA2で火花を散らすチェリストと同一人物なら、
確かにあの人は「求道者」然としたところがある。

何か年の瀬に衝撃的な一冊だったなあ、という読後感。