花鳥風月記

流れる水に文字を書く

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

愚短想(152) 野良の系譜

人間以外に、周りにいる「いきもの」は何だろうか、と考えてみる イヌ・ネコ・カラス・スズメ・ジュウシマツ・熱帯魚くらいか。 イヌは、通勤途中の親水公園で、散歩している姿を良く見かける。 団地ばかりの地域に、よくぞこれだけ集まるものだ、と思う。 …

愚短想(151) 白について

先日、マイケル・ジャクソンが亡くなった。50歳。 丁度、洋楽を聴くようになる年代に「スリラー」がヒットした。 MTVが流行り出した頃、このゾンビのダンスは一躍世界を席巻した。 ちなみに、訃報を聞いたとき、スリラーのゾンビとなって復活、 というネタか…

内田樹 『街場の教育論』

大学院での講義録を元にした教育論。 内田の文章は極めて明快で分かりやすい。 まさに語るように書く。(まあ、講義録でもあるし…) 教育の現場にいる人間として、単なる「批判だけの批判」ではなく、 現場の人間に元気が出るような話を進めてゆく。 けっして…

ラッシュライフ

新宿バルト9にて。 初めて行った映画館だったが、 館内には、森のようなマイナスイオンが充満しているらしい。 館内はちょっと新宿駅構内の「あの臭い」も若干感じた。梅雨だから? 最近のシネコンは、行ったらとにかくカネを使わせるような造りで、 自販機…

愚短想(150) 定額給付金の行く末は

先日、江戸川区から定額給付金(低額給付金?)が振り込まれていた。 「あなたのまちを元気にする」という、およそ怪しいかぎりの このお金が、とうとう振り込まれた。 確かに、市中に出回るカネが増えたら、「活性化」なのかもしれない。 しかしながら、その…

かくれんぼの空 【酒井俊勝手にライナーノーツ】

この曲の原曲は、ヴィクトル・ハラの 「平和に生きる権利 EL DERECHO DE VIVIR EN PAZ」 いわゆる抵抗歌(プロテスト・ソング)。 ヴィクトル・ハラはチリの国民的歌手だった。 1973年9月11日(この日付に何がしかの宿縁がありそうな)、 ピノチェトによる軍政ク…

愚短想(149) 肉食に焦がれて

体調はほぼ戻った。 体重は、せっかく減ったので戻したくない。 来月は人間ドックだし。 まあ、治ったという状況・状態が分からないので、 おそるおそる食べている。 と、いいつつも朝食はカレーライス。 昼は取らずに、夕食は中巻すしとトルティーヤ、そし…

Jeff Beck 「Performing This Week: Live at Ronnie Scott’s [DVD]」

療養も兼ねた4日間の最終日、外出しようと思ったが、 大事をとって、自宅で過ごすことにする。 今まで観ていなかったDVDをこのタイミングを逃さずにおきたかった。 ライブのCD盤は、申し分のない出来だった。 今回のDVD盤も、買った価値(それも輸入盤)を大…

前田司郎 『夏の水の半魚人』

三島由紀夫賞受賞作、とのこと。 小学5年生の魚彦が主人公で、その小さいながらも、 大人にもひけをとらない「掟」の中を渡り歩く厳しさを におわせながら、とめどない日常を描き出している。 今までの文体―自己思考的な―からは、若干セーブして、 リズム感…

前田司郎 『大木家のたのしい旅行 新婚地獄編』

久々の前田司郎の本であったが、相変わらずの跳躍度だった。 一体どうやったら、五反田とうきゅうの屋上から地獄へ行くなんて 発想が生まれるんだろうか、と思いたくなる。 また、その先の地獄の描写が妙におかしく、 「ありそで・なさそで」リアルな感じが…

愚短想(148) 鉄の胃、錆びる

発熱と下痢が収まらない。 冷血漢なので、常時34度ちょっとの体温が37度を超えた。 夜通しトイレに行くこと10数回。さすがに仕事は休みをとった。 病院へ行く。8時から受付。診察は9時から。 いつも病院は待つなあ、と痛いお腹をさすりながら順番を待…

愚短想 番外編 TOPSのケーキ

我が家の誕生日には、デコレーションケーキではなく、 TOPSのチョコレートケーキで祝う。 20年くらい前、姉がここに勤めていた。 TOPSのケーキは、わりと通好みの人が好物として挙げている。 濃厚なチョコレートとクルミが絶妙の甘さを演出する。 近所のライ…

愚短想(147) ずっとついてゆきます

仕事場の荷物整理をしていたら、鉛筆削り機があった。 文房具の多様性が進む昨今、それは時代の遺物とも思えた。 今ではどうだか分からないが、自分が小学生のころは、 シャープペンシルの使用が禁止されたことがあった。 学校は新しいものが出ると、すぐに…

愚短想(146) ザギンでシースー

街には、それぞれの「棲み分け」がある。 それは銀座であっても同じことが言える、というより言えた。 銀座には高級料理店、特に寿司屋が多いと「聞く」。 「聞く」というのは、行った事がないから。 ただ、楽しみ方はあった。 ずっと前には、地下鉄銀座駅の…

映画泥棒

ここのところ映画を観にいけてない。 今までで最もその姿を観た俳優は「映画泥棒」だろう。 予告が多く、その締めくくりの「徒花」にも等しいその姿に 嫌悪感を抱く人も多くいるだろう。 しかし、あのしぐさと、カメラのフォルムは、ここ数年の時間を経ても…

Hallelujah 【酒井俊勝手にライナーノーツ】

たしか高田馬場のHOT HOUSEで初めて聴いて、 「ハレルヤ…ハレルヤ…」というフレーズが強く印象に残っていた。 いろいろと検索をかけると、1984年にLeonard Cohenが発表したものらしい。 まあ、原曲は、Tom Waitsのようにモゾモゾっと歌う感じだった。 神への…

山崎ナオコーラ 『男と点と線』

短編小説集の良さは、ちょっとした発想を さっと書き上げられる快感にあるのかもしれない。 小津のような老夫婦の静かな物語や、 卒業グラフィティのような青春もの、 神話にも寓話にも属さないファンタジー、 青春と性のグローイング・アップのようなストー…

愚短想 番外編 八兵衛@西葛西

西葛西で何か食べて帰ろうと思い、メトロ商店街の先を歩いてみる。 八兵衛というラーメン屋は今まで見たことがあったが、見過ごしていた。 やや蒸し暑い一日だったので、熱い・こってりは避けたいと思い、 たまたま店頭のポスターを見て、入ることにした。 …

愚短想 番外編 あじさい茶屋の板そば@秋葉原駅

秋葉原には、ラーメン・カレー・洋食・とんかつ・丼の店が多く、 あっさりとしたものが、なかなか見つからない。 駅近くの立ち食いそばも、やや物足りなさ感もあり、 場所をかえようかどうか迷っている時に、看板を見つけた。 板そば復活、と。 復活するくら…

愚短想 番外編 ソフトクリームのKUVESA@町田仲見世商店街

街歩きにソフトクリームを欠かさない。 それが、40過ぎであろうと、背広を着ていようと、 目敏く見つけては左手に持ちながら、歩く。 北海道でしか食べられないソフトクリームが、 町田の庶民的な商店街で食べられる、とのこと。 店の軒先に色々なメニュー…

愚短想 番外編 町田珈琲館@町田

新宿から、少し足を伸ばそうと思い、町田へ行く。約10年ぶり。 ロマンスカーで行こうと思ったら、快速急行と3分しか違わないので、 すぐに発つ快速急行に乗り込む。30分くらいで到着。 こんなに近かったのか、と意外な印象。 10年前は、ほんの少しだけしか…

愚短想 番外編 中華そば青葉@新宿

休日返上で仕事をする。 新宿での仕事1件なので、終わって遅めの昼食をとる。 新しいマルイのビルに行く。映画館も併設していたが、 面白そうなものがなかった。 ふと、フロアガイドを見ると、何やら美味そうな写真があったので8階へ行く。 オープンカウン…

白井裕子 『森林の崩壊』

国土の66%を占める森林。 しかし現代では、計画的な伐採もままならず、 人工的な植林が進み、天災に弱くなり、 また、外国の輸入材を安く入れることを認めることによって、 林業が荒廃し、かつ、建築基準法の策定が更なる木造家屋の消滅を促す。 環境問題の…

筆致俳句 (20)

健脚を 威張るジジイに 席譲り 中高年の登山がブームだそうだ。 土曜日の出勤途中には、それとすぐ分かる出で立ちを目にする。 しかし、そこには奇妙な風景もある。 たまにバスに乗ると、あと1つで終点の駅、というところで乗り込んで来る。 距離にして20…

愚短想 番外編 麹蔵@有楽町

鹿児島県のアンテナショップが経営しているお店。 地下への階段は割と長く、入口の佇まいも趣がある。 一見、シャレた居酒屋と見紛う感じの造り。 丁度、お昼時でもあったので、結構賑わっていた。 黒豚炭火焼丼を注文。大盛りは無料。 やや焼き過ぎた感じの…

村上修一写真展 奇祭―トカラ列島・悪石島―

少し前に終わってしまったが、銀座のニコンサロンにて。 ヤマト文化と琉球文化、そして海洋文化の交差する 「絶海の孤島」の祭りに焦点を当てた展示になっている。 人々の「ハレ」の風景をモノクロ写真に収めている。 そこにはアレ・ブレ・ボケといったもの…

愚短想 番外編 インデアンカレー・スパゲティ

「スパゲッティ・イタリアンを下さい」 「うちはスパゲッティ・インデアンです」 単なる読み違いから食したスパゲティ。 カレー専門店の「インデアン・カレー」(東京TOKIAビル地下)だから まあ、当然なのかもしれない。(まだここのハヤシライスは食べてない…

ベルサイユの子

銀座のシネスイッチにて。 フランス映画特有の、含意を先取りしなければならない 映画のナラティブ(文体)に慣れなければならない。 ストーリーは、わりとシンプルで、社会に放擲された若者と その子どもがたどる数奇な運命を物語っている。 ベルサイユという…

ブッシュ

有楽町スバル座にて。今回、初めて利用する。 スクリーンのど真ん中に通路がある。 やや古くなった映画館、という印象がある。 ロードショーは、ここが発祥、とのこと。 オリバー・ストーンの描いた、ブッシュは、 父の威厳や栄光に圧されながらも、もがいた…

愚短想(145) 夏の前には、やはり梅雨がある―西葛西点描―

通勤の最寄り駅に向う途中、親水公園を通り抜ける。 桜の開花を楽しんだあとには、木々に様々な葉や花が色づき、 日々の往来を楽しくさせてくれる。 しかし、大概の鉢植えには、予め花が植えられ、 正直、それには興ざめな感じを持つ。 だからこそ、自然に咲…