花鳥風月記

流れる水に文字を書く

Jeff Beck 「Performing This Week: Live at Ronnie Scott’s [DVD]」

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療養も兼ねた4日間の最終日、外出しようと思ったが、
大事をとって、自宅で過ごすことにする。
今まで観ていなかったDVDをこのタイミングを逃さずにおきたかった。

ライブのCD盤は、申し分のない出来だった。
今回のDVD盤も、買った価値(それも輸入盤)を大きく上回る内容だった。

Ronnie Scott’sというジャズのクラブで、ここまで観客が上気して観ていることが、
このライブの出来が素晴らしいものと分かる。
こんな上機嫌なイギリス人の表情を今まで見た事がない。

ジェフ・ベックの演奏も、派手さというよりも、
ギターの細部に行き渡るまで熟知しつくした
繊細かつ豪胆な演奏をしていた。
あんなに表情豊かな音の起伏が、
普通のトレモロ・アームでなされているのが素晴らしい。
フロイド・ローズやケーラー(今はもう無いのかな?)に頼る
ギタリストが拙く見えてくる。

そしてあの指先で爪弾くピッキング
ボリューム奏法(この名称を1冊だけ残した24年前のギターマガジンから見つける)
フットペダルではなく、ギターのツマミを使っていた。
その一つ一つが、すべて自分の「手の内」で作られていた。

22歳のTal Wilkenfeldは意外と背が低く、ベースが大きく見えたが、
正確な演奏をしていた。
「You Never Know」はチョッパーではなかったのが、
CD盤では知りえなかったことだった。これを見る限りでは善戦した。

ゲストは、若い女性アーチスト2名とエリック・クラプトン
気の置けない友人と、若い才能の中で楽しそうに演奏する姿は
円熟された域での愉悦という感じがした。
ちなみにエリック・クラプトンはアームを付けていなかった。
この辺の関係がまた、面白い。