花鳥風月記

流れる水に文字を書く

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

1978年、冬。

渋谷ユーロスペースにて。 文化大革命が終息した中国。 そこから市場経済への開放と、経済発展に向かう少し前の世界を描いている。 いわゆる青春映画と違うところは、淡い感情が、 中国の国家の「重さ」に圧されてしまっていることにある。 アジア映画(とい…

おいしいコーヒーの真実

渋谷のUP LINKにて。 ミニシアターだが、固定の座席でなく、 椅子を並べた視聴覚教室のような印象を受けた。 DLPでの上映ではないかと思う。 そのため、逆に椅子がふっくらとして観やすいし、 なんとなく落ち着いて観られる。 エチオピアのコーヒー栽培に…

感謝のことば

このブログも1万アクセスに行きました。 400回目という節目でした。 ありがとうございました。

1000の言葉よりも 報道写真家ジブ・コーレン

東京都写真美術館ホールにて。 森山大道・世界報道写真展・映画と、写真三昧の1日だった。 イスラエルの報道写真家ジブ・コーレンのドキュメンタリー。 ドキュメンタリーでありながら、映画のようにカッコよく、 ジブ・コーレン自体も、役者然、としたとこ…

世界報道写真展2008

東京都写真美術館にて。 森山大道展のあと、地下1階へ行く。 最初の挨拶のボードで気になったこと。 写真展の挨拶には、5,000人くらいの応募者がいた、とのこと。 写真の評価は、その事件の重要度ではなく(それを判断できるわけではない)、 その事件をいか…

森山大道展

東京都写真美術館にて。 最初、カバンをロッカーに入れて会場に入ったが、 1階のロッカーの置き場所があまりにも物騒に感じて、 結局カバンを持ちながら、観る。 現代の写真に「アレ、ブレ、ボケ」など、様々な「革命」を 起こした写真家の展示。 最初の企…

愚短想(100) クレームの作法とは

お気に入りの革靴をメンテナンスに出して、先日戻ってきた。 昨日、翌日は天気が良いと思い、靴を磨いて履こうと思ったら、 (実は靴磨きが趣味に近いくらい、好き) 足の甲の部分に傷が入っていた。 まあ、仕方ないのか、とも思ったが、 たまたま連絡先が携帯…

花はどこへいった ベトナム戦争のことを知っていますか

神保町の岩波ホールにて。 坂田雅子監督の夫グレッグ・デイビス氏の死をきっかけに作られた映画。 ベトナム戦争で3年間兵役をつとめた後、 祖国アメリカを「見限って」写真家として、ベトナムを撮影し続けた。 戦争中に散布された枯葉剤(Agent Orange)が、…

LIVE AID

今日は昼食抜きの夕食はひとり「なか卯」。 帰宅後、中学時代の友人に電話し、 その後、芋焼酎をひとしきり飲んだら、 なんとなくLIVE AIDのDVDを観たくなった。 1985年の7月13日は、ちょうど高校生の頃。 隔世の感もあるが、当時を思い出すと、12…

伊坂幸太郎『重力ピエロ』

伊坂幸太郎の3作目。 順番からいえば、『オーデュボンの祈り』のあとは、 2作目の『ラッシュライフ』が順当だったが、 たまたま手に取ったのがこの本だった。 家族という「絆」を中心に、遺伝子・映画・芸術など、 多彩な内容をちりばめられた、内容の濃い…

愚短想 番外編 芭蕉布の里@飯田橋

今日は飯田橋での仕事。線路沿いにあった沖縄料理のお店。 このお店は、カウンターが5席くらいで、 奥にテーブルがあるがとても狭い。 並んでいる後ろをえっちらおっちら行って奥に座る。 壁には、色とりどりの泡盛のビンが並び、沖縄っぽい雰囲気を醸し出…

日本国憲法百景 (58)

自助と自浄のあいだ ちょっと前に「居酒屋タクシー」が話題になった。 財務省の深夜残業組を当て込んで、タクシー運転手が、 酒やつまみを用意して乗客にふるまう、というもの。 不景気の波をかぶりやすい業界において、長距離利用者が欲しい。 そんなリアル…

愚短想(99) 星のめぐりや占いなど…

今日は母親の「誕生日」だった。 なぜかっこ書きかというと、今になって、 誕生日がずれていたことが分かったからだ。 旧暦との違いは約1ヶ月。 星占いに嵌っているひとは、「ひつじ座」とは何だったのか、 多少の苦悩はあるかもしれない。 幸いにうちの母親…

日本国憲法百景 (57)

花の愛(め)で方 自宅のベランダには、親が育てた花が時々見ごろになる。 そのうちの何株は、姉が持ち帰ったが、あえなく枯らしてしまったらしい。 流行りのガーデニングには程遠いが、咲くと何か楽しみが増える。 かつて、職場で胡蝶蘭を買った。 花が落ちて…

愚短想 番外編 半兵ヱ@上野

日曜日は、バウハウス・デッサウ展の後、 幼なじみと久々の邂逅。 まずは腹ごしらえと、食事。 鯨の刺身とステーキを食べる。国際世論もなんのその。 昔食べた鯨ベーコンような臭みはなく、むしろ馬刺しに近い。 往時から考えるととても高かった。 そこから…

バウハウス・デッサウ展

上野の東京藝術大学美術館にて。 日曜日ということもあり、来館者が多かった。 大学美術館は初めてだった。入館料1,400円は高い。 入口で、ふと目に付いたのが、音声ガイドが谷原章介だった。 何か縁があるのか分からなかった。井筒和幸じゃダメなのか。 500…

酒井俊&String Trio@吉祥寺MANDA-LA2

ステーキに喜び、ラーメンに憤った木曜日の締めくくりは、 酒井俊のライブだった。 “Tiny Adventure with Strings”の13回目。 今回のタイバンは、秋山羊子(ピアノ、ボーカル)と小川紀美代(バンドネオン)のデュオ。 秋山羊子のピアノと唄は、どこかか細く、…

愚短想(98) ラーメン屋の品格

いつからか、ラーメンに「こだわり」を持つ人や店が多くなった。 もともと「こだわり」という日本語自体が、ネガティブなイメージだったが、 「こだわりの逸品」といった使われ方がここかしこで通じて、いつのまにか 「こだわり=玄人」のような錯覚に陥って…

愚短想 番外編 ル・モンド@新宿

カロリーを気にした食事を続けると、たまには逆行したくなる。 食べ慣れたコンビニ食・富士そばから、たまには解放されたくなる。 今日は3時から新宿で仕事、ということもあり、現地でランチ。 このお店は、かつて新宿に職場のあった姉に連れて行ってもらっ…

ヤーチャイカ

渋谷のシネマ・アンジェリカにて。 写真映画という手法で、静止画によって、物語を紡いで行く。 はじめに谷川俊太郎・覚和歌子の詩作をイメージした世界があり、 それに映像が合わさって行くつくりになっている。 主な登場人物は、香川照之と尾野真千子。 「…

日本国憲法百景 (56)

梅雨の晴れ間、木陰 梅雨の日々は、朝晩はまだ肌寒く、たまの晴れ間は蒸し暑い。 今日は、太陽が燦々と照りながらも、どこか蒸す。 風もない。駅までの道のりで、首筋にじんわり汗を感じる。 太陽にじりじり灼(や)かれるときには、きまってエリック・クラプ…

バルガス=リョサ『楽園への道』

外国文学で長編というものを読んだ記憶が久しくなかった。 今回は、500ページという長編を、時間をかけて読破。 本が重く、そのおかげで永らく愛用したカバンが壊れた。 フランスの社会運動家フローラ・トリスタンと、 その孫にあたる画家ポール・ゴーギ…

愚短想 番外編 ライフリー@高田馬場

終業時刻後に、まるまる一つ仕事が残り、残業。 8時を回ったので、帰宅前に夕食を摂る。 2時半に食べた富士そばのカツ丼セットもりそばが予想以上に 腹にたまり、食欲はあまりなかった。 自分の胃袋が小さくなったことを感じる。 そういえば、大体の人から…

川上未映子 「戦争花嫁」

早稲田文学復刊第1号所収。 一杯飲んだ後、一時間ほど時間を潰そうかと思い、 本屋に寄って購入。 最初は、喫茶店で読んでいたが、「酔魔」が襲い、途中で断念。 帰宅後、再読してみたが、今度は「睡魔」が襲い、寝る。 明けて翌日、三度目の挑戦。 今回は…

愚短想 番外編 こがし芋焼酎 野焼き

自宅にある「赤霧島」はまだセーブしておいて、 近所のスーパーで焼酎を物色・購入。 芋を焙煎した、とのことで、確かに香ばしい香りがする。 といって、「臭み」はなく、ロックで結構飲める。 明日の早起きに障るので、深酒は禁物、と思いながらも、 久々に…

愚短想(97) フクが帰ってきた

着ている服がそろそろ買い替え時となって、 スーツをどうしようかと、古いものを見てみたら、 夜9時以降食べない運動と、腹筋毎日30回の成果で、 いままできつかった服が着られるようになっていた。 現在、8年くらい前のものまでOK。 (確かに、ちょう…

マンデラの名もなき看守

シネカノン有楽町1丁目にて。 ネルソン・マンデラの収監時代に焦点を当てた作品。 生誕90年を記念に作られた。 アパルトヘイト政策のなか、幼い頃から黒人居住区の近くに住み、 コーサ語に堪能な看守が、マンデラの担当になることから、 アパルトヘイトに…

エミリー・ウングワレー展 アボリジニの「ドリーミング」

国立新美術館にて。 モディリアニー展に続いて観る。 プリミティブ・アートつながりかどうかは不明だが、 こちらは、アボリジニ・アート。 人物・肖像画ではなく、作者のイメージ、 それはアボリジニが持つ「ドリーミング」によってなされるもの。 アボリジ…

愚短想(96) 新宿「思い出横丁」の思い出

新宿西口をぶらつくと、ふらっと入りたくなる場所がある。 今日は、その誘惑に負けた。 思い出横丁。この名前よりも「しょんべん横丁」の方が通じやすい。 ……………………………………………………………………………… ○○さんは、出世街道まっしぐら、 □□さんは、しょんべん横丁まっしぐ…

モディリアーニ展2008

先週の金曜日、初めて国立新美術館へ行く。 乃木坂からいくと、そうは感じなかったが、 見終わった時は、結構大きいな、という印象。 36歳で夭折した画家の半生の作品を一同に会した作品群。 初期の作品に感じる「理想」形。 アフリカン・アートに見出すシ…