花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ヤーチャイカ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

渋谷のシネマ・アンジェリカにて。
写真映画という手法で、静止画によって、物語を紡いで行く。

はじめに谷川俊太郎・覚和歌子の詩作をイメージした世界があり、
それに映像が合わさって行くつくりになっている。

主な登場人物は、香川照之尾野真千子
殯の森」でもそうだったが、尾野真千子は「過去のある女性」の役が印象的。
その他は、「3年B組金八先生」に出ていた高松いく(巫女役)と
主人公の昔の恋人、合わせて4人。

ヤーチャイカとは、ソ連初の女性宇宙飛行士テレシコワが、
地球に向かってメッセージを送る際の自分の愛称(かもめ)だったそうだ。

「写真のナラティブ」という性格上、登場人物にも、ストーリーに費やす時間も
制限(というか限界)があったように感じた。
動画として伝えるものと、メッセージとして伝えるものが、
この映画では「逆転」していたように思う。
それが「新鮮」なのか「実験的」なのか「意欲的」なのか
判断がつかなかった。
なぜなら、敢えてその「限界」の設定が必要だったのかがわからなかった。

見るものにとっては、美しい風景の中で、「風」や「温度」を感じたかったし、
言葉はメッセージ(文字)として感じたかった。
(もっともこの辺は、TVのテロップに毒された感もあるが…)
映像美であれば、もっと追究して欲しかったし、
限られた状況でのストーリーなら、モノクロ画像も含め、
もっと挑戦的でも良かった気がする。

「動」のなかで「静」を表現する
「静」のなかで「動」を演技する

これはきっと永遠の課題なのかもしれない。