花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (56)

梅雨の晴れ間、木陰

梅雨の日々は、朝晩はまだ肌寒く、たまの晴れ間は蒸し暑い。
今日は、太陽が燦々と照りながらも、どこか蒸す。
風もない。駅までの道のりで、首筋にじんわり汗を感じる。

太陽にじりじり灼(や)かれるときには、きまってエリック・クラプトン
「Let It Rain」を思い出す。歌詞でこんな部分があったなあ…
My life was like a desert flower burning in the sun.
人生なんて灼熱の太陽の中にある一輪の砂漠の花のよう
※訳詞は適当です。

駅までつながる親水公園では、様々な鳥が、水浴びや木陰で休んでいる。
印象的だったのが、鳩が木の陰でじっとして涼をとっていた場面だった。

平和の象徴が休息を得るのなら、その木々は憲法ではないか。
陰を作り出すひとつひとつが、条文であったり、議員であったり、
そういったものに守られるから、心休まる「木陰」ができるのだろう。
確かに木陰の下は心地良い。

あとは、その一枚一枚の葉が、しっかりとしたものであるのか、
木陰で休む者を心地よく過ごさせているのかどうかということではないか。
そんなことを思いながら、駅へと急いだ。

第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、
内閣は、その召集を決定しなければならない。

※第四章「国会」は「木陰」と読み替える。