花鳥風月記

流れる水に文字を書く

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

BABEL

舞浜イクスピアリで「BABEL」を観る。狙い通り、空いていた。 モロッコ・アメリカ・メキシコ・日本をつないだ、スケールの大きいドラマの展開。 それでいて、歯車がバラバラになったきっかけは、メキシコ人乳母のアメリアの言葉を借りるのなら、 「悪い…

『約束の旅路』

GWのため、きっとどこも混んでいるだろうと思い、 落ち着いて映画を観られるところを、と思い、神保町の岩波ホールへ。 フランス映画でしたが、舞台はエチオピア・スーダン・イスラエル・少しだけパリ。 イスラエルとパレスチナの歴史にある程度通じている…

『ダナエ』 藤原伊織

サスペンスものにさほど関心があるわけではないのだが、 藤原伊織の本に関しては、良く読んでいる。 主人公の設定がヒロイックであるものの、何か影を持つ ちょっと不幸な中年、といったところはワンパターンなのだが、 なぜか水戸黄門のようなお決まりの展…

レイナルド・ピネーダのこと

チリのフォルクローレ歌手のレイネルド・ピネーダを知ったのは1993年。 毎月のペースで、20人も来れば満杯になった渋谷のアピアという小さいライブハウス (今はどうやら倍の広さになったらしい)へ、仕事帰りに駆けつけた。 当時はギター教室の講師や路上でも…

『南のポリティカ ―誇りと抵抗』 上野清士

少し時間がかかりながらも、上野清士の『南のポリティカ』を読む。 中南米について、初心者にも分かりやすく、脚注も付けながら書いている。 この脚注にも、筆者独自の工夫があり、読みやすく、面白い。 この本の元は、月刊「ラティーナ」という音楽雑誌のコ…

不都合な真実

少し前、アル・ゴアの『不都合な真実―AN INCONVENIENT TRUTH』を観る。 大混戦だった2000年の大統領選挙の際、一説にはこの選挙が長期化し、 莫大な借金を抱えることとなり、次の大統領選挙には立候補できず、 環境問題の講演を続けるようになったのでは、と…

ドゥチュイムニイ考 ― 佐渡山豊

昨日、あるトークショーで沖縄とキューバの話を聞く機会があった。 沖縄はかれこれ10年程前に1週間かけて本島を回った。 確か県民投票や選挙で話題となっていた時期だった。 その後、とあるきっかけで、 佐渡山豊というフォークシンガーを知る。 『ドゥチ…

RHYTHMS DEL MUNDO

ここのところ、よく聴いているのが、 世界的な有名(これは多分に欧米で有名ということになるのだが…) な曲をキューバ・サウンドでカバーしたこのCDです。 演奏はかのブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ。 世界的なヒット曲が、彼らの手にかかれば、あっという…

酒井俊 『満月の夕』 ―唄を聴けるほんとうの楽しみ

酒井俊さんを知ったのは、TBSの金平茂紀のメールマガジンでした。 ※現在は『二十三時的』(スイッチ・パブリッシング)として刊行されています。 『四丁目の犬』という奇妙なタイトルのCDを買い求めました。 そのすべてが好きになりました。 特に『満月の夕』…

パラダイス・ナウ

恵比寿の写真美術館で、『パラダイス・ナウ』を見る。 こちらは、パレスチナ人の自爆テロを扱った内容で、 主人公のサイードと友人が、地下組織から自爆テロのメンバーに 選ばれ、その気持ちの高揚と、実行当日に起きた様々なトラブルを 追った、設定として…

ツォツイを見た

映画『ツォツイ』を見た。 「不良」を意味するその言葉は、ギャングという稼業?のなかで、 ふとしたきっかけで、赤ん坊を誘拐することになり、 いつの間にか人間らしさや人の温かみの恋しさに目覚めていくストーリー。 少年が人を殺すシーンがある、という…