花鳥風月記

流れる水に文字を書く

モディリアーニ展2008

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先週の金曜日、初めて国立新美術館へ行く。
乃木坂からいくと、そうは感じなかったが、
見終わった時は、結構大きいな、という印象。

36歳で夭折した画家の半生の作品を一同に会した作品群。
初期の作品に感じる「理想」形。
アフリカン・アートに見出すシンメトリー。

やがてそれを否定するかのように、肖像画においては左右対称を排している。
確かに人間の顔は歪(いびつ)さを含んだ美しさだ。

どの肖像画の構図も、基本的に左に傾き、正中線も傾く。
これによって、作品を大きく描き、独自の存在感が増す。
なんとなく、人間の持つ「質感」を感じられる。
一つ、首飾りをした少女の肖像画が限りなくシンメトリーに近かったが、
青いドレスにかかる、赤いネックレスが非対称だった。
光と影を意識してか、眼は塗りつぶされていることもある。
これにも非対称性を感じる。

人を見ることにおいて、個々の「ゆがみ」を
しっかりととらえる、ということが大切なんだなあ、と感じた。

図録が2,300円と高かったので、
子供向けの冊子『モディリアーニのとき』だけ買う。