花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(96) 新宿「思い出横丁」の思い出

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新宿西口をぶらつくと、ふらっと入りたくなる場所がある。
今日は、その誘惑に負けた。

思い出横丁。この名前よりも「しょんべん横丁」の方が通じやすい。
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○○さんは、出世街道まっしぐら、
□□さんは、しょんべん横丁まっしぐら
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というのが正しい活用法。

先ずは「つるかめ食堂」。
ここではソイ丼を食す。ソイは「豆」
丼めしの上にカレー風味に味付けされた豆を、
麻婆豆腐のような具にしてかけ、ハムがトッピング。
いわゆる栄養価の高いメニュー。
付け合せの味噌汁も、おばちゃんの年季の作で、
小さく切られた豆腐がまた良い味を出している。
500円と変わらない金額は庶民派の代表格。
昔、大学の先生に飲みに連れて行ってもらう際に
先ずはここで腹ごしらえさせられた思い出がある。
さすが経済学者。

次に「岐阜屋」。
ここは「飲みのシメ」や、長距離通学の栄養補給地点として活用。
数年前の火災で、店舗は改築されたが、雰囲気は残っている。
当時は、料理でいぶされた天井やシートに、油がこびりつき、
亜麻色になっていた。しかし不衛生という印象はなかった。
ちょっとでも席があれば、どんどん詰め込まれる。
しかし、客もなんの疑問もなく、不思議にみんな詰め込まれてしまう。
久々に「天津麺」を注文。
最近流行りのラーメンとは一線を画す。懐かしい味わい。
久しぶりに食べたら、もの凄く美味かった。
ああ、やっぱり化学調味料がっちょりは美味いなあ…。
ある時、少ししょぼくれながら、天津麺を食べていたとき、
名物おやじの「ゲンさん」に励まされた。
今はもういないようだが、懐かしい思い出。
まさに「思い出横丁」だった。

ここには、昭和がまだ残っている。