花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(100) クレームの作法とは

お気に入りの革靴をメンテナンスに出して、先日戻ってきた。
昨日、翌日は天気が良いと思い、靴を磨いて履こうと思ったら、
(実は靴磨きが趣味に近いくらい、好き)
足の甲の部分に傷が入っていた。

まあ、仕方ないのか、とも思ったが、
たまたま連絡先が携帯に入っていたので、
メンテナンスを頼んだ店に電話してみた。
そこでは、今後気をつけてほしい、程度の話をしたが、
電話を終えた後、段々と納得がいかなくなり、
結局、店に出向いた。

ここまでで思ったのは、クレームって連絡が取りやすくなったから
増えてるんじゃなかろうか、と思った。
今までなら、文句を言うのもちょっと恥ずかしいし、
連絡先を調べるのも億劫な気がしたが、
今回はすぐに話せたことが、行動を容易にした。

もう一つは、物分りが良い人間になろうと思いながらも、
反面で、その自分が許せないという葛藤も生まれた。
相手はきっと対応として悪くはなかったとおもうが、
こちらが恐縮するような対応でもなかった。
一応、言いがかりではないことを伝えたいとも思い、足を運ぶ。

お店では、つとめて「紳士的」に話をした。
ただ、向こうとしても、その傷の原因が分からない以上、
その場での解決には至らなかった。

ただ、「そちらの希望は何か」と変な風に探られたりとか、
預かりのスリップ・シートに「代金未収」にマルを付けられたのが、正直、頭にきた。
本気出そうか、とも思った。(料金は絶対にとりません、とは言ったが…)

お高いお店なので、それなりの対応マニュアルがあるのかと思ったが、
そうではなかったようだ。
先方も預かりとお渡しの際の確認を怠った点では謝罪があったが、
それ以上でもそれ以下でもなかった。
それが、その人が出来る限界(責任者ではなさそうなので)なのだろう。

靴を預からせてほしい、とのことだった。
今度でいいから、といわれたが、(何言ってんだ、とも思ったが)
近くの店でスニーカーを買って、履き替えてから、預けた。
あくまでフェアで行こう、と思った。

本気モードであれば、こうなる。
仮にもブランドのお店が「今度」なんて悠長な対応でいいのか。
原因を本当に突き止める努力をするならば、今履いている靴の
新品と交換するか、代わりのものを提供するくらいのことを
するべきじゃないのか。
最後に、「責任者」を出せ、になるのでしょう。

こうしない自分ってやっぱり優しいなあ、と思ってみる。

まあ、預かったからには、回答を用意しなければならないわけで、
どのような対応になるのか。
まあ、直っていればいいんですけどね。