花鳥風月記

流れる水に文字を書く

川上未映子 「戦争花嫁」

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早稲田文学復刊第1号所収。
一杯飲んだ後、一時間ほど時間を潰そうかと思い、
本屋に寄って購入。

最初は、喫茶店で読んでいたが、「酔魔」が襲い、途中で断念。
帰宅後、再読してみたが、今度は「睡魔」が襲い、寝る。

明けて翌日、三度目の挑戦。
今回は「音読」をした。
かつてNHKの番組で本人が出ていて読んでいたのと
同じように読んでみた。なぜか節回しが大阪弁になるが、
やはり、彼女の持つ文体のリズムなのだろう。

音読をして初めて気づかされることも多く、
言葉を重ね合わせる「臨場感」というものが、
音声によってさらに感じることとなる。

「戦争花嫁」というどこかしら「禁忌」的な表現から、
その生に思いを馳せて書き上げている。

黙読の際には、ともすると「習作」的な感じがしたが、
音読すると、そのエネルギーが感じられる、
なんとも不思議な作品だった。