花鳥風月記

流れる水に文字を書く

前田司郎 『大木家のたのしい旅行 新婚地獄編』

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久々の前田司郎の本であったが、相変わらずの跳躍度だった。
一体どうやったら、五反田とうきゅうの屋上から地獄へ行くなんて
発想が生まれるんだろうか、と思いたくなる。

また、その先の地獄の描写が妙におかしく、
「ありそで・なさそで」リアルな感じが湧き
なおかつ、あのいつもの「ああでもない・こうでもない」
登場人物の頭のぐるぐるを書き連ねる。

しかし、なぜかその中に、人としてのピュアな部分に触れている、
というのが心憎い。

炊飯ジャーの行方は、ちょっとカッコつけすぎな感じもしたが、
それはそれでベタな感じが良かったと思う。