花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(152) 野良の系譜

人間以外に、周りにいる「いきもの」は何だろうか、と考えてみる
イヌ・ネコ・カラス・スズメ・ジュウシマツ・熱帯魚くらいか。

イヌは、通勤途中の親水公園で、散歩している姿を良く見かける。
団地ばかりの地域に、よくぞこれだけ集まるものだ、と思う。
かくいう自分の団地にも、飼っている人はいる。
中型のコーギー犬?を3匹も連れているところを見かける。
大して間取りは違わないのに、どんな生活なのだろう、と不思議に思う。

ネコは飼い猫よりも、野良が多い。
親水公園にも何匹かいるが、職場(高田馬場)は多く見かける。
“スナック「ロープ」のオジサン”がこの地域猫の神様である。
毎日せっせとエサをあげている。
慣れたもので、決して人には近づかないようなネコでも、
このオジサンには、尻尾をピン、と立て、揺らしながら、甘える声をだす。
病気治療や避妊手術もさせ、生まれた子猫は里親をしっかり探す
(この基準が結構厳しいらしい…)など、やはり「本気度」が違う。
まあ、町内会の人にはいろいろと言われているようだが…。
前から挨拶や世間話をするようになったが、いまだスナックには行ってない。

カラスは、このところ巣作り・産卵・孵化といった時期だった。
職場の前で、親カラスが通行人に攻撃をかけてくるので、
区役所に対処を頼んだところ、雛が巣から落ちていた、とのこと。
雛を確保したら、攻撃が止んだ。親も外敵にやられた、と諦めたのだろう。

スズメ・ジュウシマツはやはり親水公園で。
スズメが昔よりも小さい。時代の移り変わりなのか。
ただ、良く水浴びをする姿を見かける。

熱帯魚は、うちの水槽で。父親がせっせと世話をしている。

ここのところ、野良犬を見ていない。
子どもの頃は、大きな野良犬がまだいて、
結構逃げ惑うようなことがあったと思う。
そんなとき、勇敢なオジサンが、肉を片手に自転車に乗り、
野良犬を遠くまで連れて行った。
しかし、これだけ犬種が増えると、一斉に野良になったらどうなるのか、
と思うことがある。恐らくは、あまり長く生き延びられないだろう。

野良が可哀想、と思う人もいるが、
飼っていることも可哀想にも思うことがある。
毎週何千ともいわれる飼い犬・飼い猫の殺処分が行われる。
どちらにしても、人間のエゴが出てしまうことが、
その「いきもの」にとっては「悲劇」なのかもしれない。