花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ラッシュライフ

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新宿バルト9にて。
初めて行った映画館だったが、
館内には、森のようなマイナスイオンが充満しているらしい。
館内はちょっと新宿駅構内の「あの臭い」も若干感じた。梅雨だから?

最近のシネコンは、行ったらとにかくカネを使わせるような造りで、
自販機がなく、高い売店があるだけ。
まあ、枝豆ナゲットは珍しかったが…。

伊坂幸太郎の作品の映画化。
今回は、東京芸術大学・映像研究科の手による製作・配給。
よって、プログラム・パンフレットの類がない。
若手の4人の監督(いずれも東京芸大の大学院所属)が各パートを担当して、
一つの映画になっているのが話題となっている。

配役としては、赤い帽子の河原崎柄本佑はぴったりはまった。これ以上の人選はない。
黒澤役の堺雅人も良かったが、原作本では、もうちょっとゴツいイメージを持っていた。
それ以外は、もう少しキャリア・バランスが必要だったかもしれない。

原作は、もっと複雑で、エッシャーの「騙し絵」のような構図がなんとも絶妙だったが、
今回のそれは、ちょっと単純化しすぎた感じがある。
予算やいろいろな資源の制約があってのことかもしれないが、
4人の分担製作に無理があったのかもしれない。

デジタル作製なので、横に流れる映像が乱れる。

若い才能を伸ばす新たな試みがいろいろとあるようだが、
ならば、もう少しおカネを潤沢に出すとか、
原作をもう少し平易なテキストにして、
もっと自由な感性を出しやすいものにしたらどうか、と感じた。

そういう意味では、今回の映画製作は「荷が重かった」という感じが否めない。

やっちまったか…。