花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(55) 電車内考

先日の「タモリ倶楽部」で、地下鉄の特集をしていた。
普段、業務用としてしか使われない連絡線を利用して、
南北線有楽町線―千代田線と、同じ車両(特別列車)で走る、というもの。
「鉄好き」の人が集まっての企画だが、そういう人でなくても、
見ていて羨ましい、と思うことがある。
普段使わないものに特別の関心を、
または普段使っているが、誰も気付かないことに関心を持つ。
これがマニアの道なのだろう。

さて、地下鉄の中で、最近気になるのが、車内でのこと。
最近は殆どが携帯電話をいじっている。
ニュースを見る人やメールを見たり・送ったりしているが、
結構多いのが、ゲームをする人。
音楽を聴く人も多い。
しかし、車内中吊り広告を見ない人が最近増えている、とのこと。
サンデー毎日の元編集長、牧太郎のブログにも書いてあった。

また、夕刊紙を読む人も減っているような気がする。
自分は、昔は音楽を聴いていた。ところが、4年前を境に、ピタッと聴かなくなった。
理由は特にないが、とにかく聴かなくなった。
本・雑誌はどうか、と言えば、これもあまり読まなくなった。
よほど読みたい本でなければ、電車内では読まない。
出勤前の20~30分、喫茶店で腰を落ち着けて読んでいく。

では、何をしているのか、と言われたら、ひたすら座っている。時に眠る。
昨日、隣の人が、大きないびきをかいて寝ていた。案外注目を浴びていた。
自分も時々そうなっているのでは、と思うと怖い。

地下鉄という密室の中で、黙々と考えことをする。それも良い。
密室での考え事は、上記以外は、きっとトイレの個室くらいだろう。
こちらは時間が取れないこともある。

一日、何かの流れから少し離れて、考える時間を持つのは必要なことだ。
勝負は「勝負の時間」以外に決まってくる。