花鳥風月記

流れる水に文字を書く

川上未映子 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』

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今年の「読み収め」の本は、
川上未映子の最新刊となった。

短編小説集というか、詩的な要素もあるので、一概にジャンル分けができない。
正直、脳みそ(頭蓋のなか)を駆け巡る言葉もあり、読むのに大変なところもあったが、
やはり、すごく鋭利な文章だった。
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 図書館は、象の目です。
 数え切れない皺に守られて慈悲を練り込んだような暗黒の象の目なのです。
                   (100ページ 「象の目を焼いても焼いても」)
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すごすぎる。
川上未映子の文章には、忌野清志郎の「月」のように、「象」がよく出てくる。
そして、常に「お母さん」がいる。

象さん 象さん お鼻が長いのね そうよ 母さんも長いのよ

読み終えたあと、こんな童謡のフレーズが思い浮かんだ。