花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 スイス リンツチョコ

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高田馬場のフードエクスプレスというスーパーに行った時、偶然発見する。
輸入菓子であるが、その形状にどことなく懐かしさを感じた。

その懐かしさはじつに37年くらい前にさかのぼる。
当時4歳くらいだったか、アパート暮らしの光景のなか、
このチョコレートが自分の手の届かないところに仕舞われていた。
姉が、椅子を使って、棚から箱を出し、
恭(うやうや)しく一つずつ出して食べた記憶がある。

それがこのリンツチョコかどうかはわからないが、
きっと駄菓子屋にはない、土産物か贈答品の類だったと思う。

いまでは、身長183センチと、あらゆるところに手が届くどころか、
気を抜くと戸に頭をぶつけることもある。

このチョコを見ると、小さかった頃、背伸びした頃の記憶が蘇る。