花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(259) 山水電気の思い出

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山水電気が4月2日に民事再生法を申請した。
ここ数年は、オーディオ機器の生産もしていなかったようだ。

大学生になったころ、アルバイトしてステレオを買った。
当時はミニコンポがブームで、良いのものを買うのが
ひとつのステイタスだった。

手に入れたのは、山水電気のBAR-7。
アルバイトで15万円くらい貯めて、
姉や母からも援助を受けて買った(記憶がある)。
本来は、35万円くらいするものを現品処分で25万円。
スピーカーは展示していた小さなものから、
3WAYの大きなものにしてもらった。

レコード、CD、3ヘッドのダブルデッキにドルビーC(HX-PRO)。
グラフィックイコライザーが付き、DATもつなげられる。
アンプは、50W+50W。曲の合間を埋めるメガトロ二クス録音というのがあった。
当時としては「全部盛り」みたいなモデル。
安物と違い、それぞれが独立している。
そして、前面のフォルムが非常にカッコいい。(今もカッコいい)
よくCDからカセットにダビングをしたが、本当に音がキレイだった。

1989年に買ったので、かれこれ23年。
まず、ミニコンポはその後ミニミニコンポが出たり
CDラジカセになったりした。

レコード・CD・カセットは、それぞれが存在をなくしていった。
なんとかCDは残っているものの、カセットはMDに取って代わられ、
今やMDも形をなくしている。

今やミニではなく、大きくて重い。乗せている箪笥がゆがんでいる。
さらにその上に本を乗せている。(苦笑)

CDとカセットデッキが壊れた。修理も出すのが面倒になってしまった。
出力の高いアンプは、結局は集合住宅には過分のものだった(大笑)。
ピッチ調整の出来るMDプレーヤーや
SACDが使えるCDプレーヤー(いずれもSONY製)を
買ったが、MDは端子がなく、CDはSACDの設定ができない。

CDのユニットは捨ててしまった。
昔はステレオ機器のセカンドハンズが結構あったが、
いつぞやのPL法ができたときに、潰されてしまった。

わが狭き部屋に無用の長物のように存在だけがある。
ほとんど使っていない。

しかし、音を楽しむ時って、そういう無駄とか余分は必要なんだろうなあ、
と思っている。

もう一度、新品のようなBAR-7に出会いたい。
そして、音を楽しみたい。