花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ポテチ

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渋谷のシネパレスにて。
月曜日の夕方ということもあって、客は10人くらい。

伊坂幸太郎原作、中村義洋監督、斉藤和義音楽という
トリオは、「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」に続いて3作目。
今回の作成に至った経緯はいろいろあるようで、
どことなく作り手が楽しんでいる要素を強く感じた。

原作は「フィッシュストーリー」に収録されている中編ストーリー。
主人公で泥棒稼業を生業とする今村と同郷で同じ生年月日のプロ野球選手の尾崎。
侵入した先の些細なことから、ストーリーが転がり、
まずは、自殺をしようとしていた大西若葉と同棲するようになる。
尾崎の自宅に侵入した時に鳴った電話で、様々なストーリーが展開する。
それは伊坂独自の他の作品にも関連する(「重力ピエロ」など)
知る人ぞ知る面白さと、ストーリーの細やかさが面白い。
最後は、「チルドレン」で読んだような爽やかなエンディングとなる。

68分という短いながらも、しっかりとしたストーリーは
むしろ小気味良い。1,300円は高いが…(笑)。

そして作り手が楽しんでいるなあ、と思ったのは、
中村義洋監督自ら出演していたり(決して上手くはなかった)、
エキストラで竹内結子が出ている(見つけられず)と
やや内輪的な盛り上がりがあったんだろうなあ、と。

クオリティとしては、学生が作った「ラッシュライフ」に近いが、
それはそれとして、そう思えばいいんじゃないかなあ、と思った。

大西若葉役の木村文乃の元気なキャラクターが良かった。
どことなくキャラは違うが、映画「スワロウテイル」の伊藤歩を彷彿とさせた。
そういえば、あの映画は仙台で観たなあ…。