花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 錦帯橋へ

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狭いバスから解放され、川べりに行く。
三つのアーチは、まるで飛び跳ねる動線をそのまま描いたかのような
なめらかな、そして躍動感のある橋だった。

この橋は、河原におりて下から見ることもできる。
木が組み合わさって作られたこの橋の構造は、
幾何学的で、美しい。

いざ渡ろうとしたら、渡り賃が必要だった。300円。
ロープウェイで山頂の岩国城の案内もあったが、こちらはパスした。

三つのアーチは、かつて太宰府天満宮で渡ったことがある。
それぞれが「過去」「現在」「未来」を表し、戻ってはダメ、とのこと。
今回は、特にそういったことはなく、渡り賃は往復の設定になっていた。
アーチの頂まで、三十段くらいの板の段がある。
そこから先は、木の樽のような、なめらかな継ぎ目で形成されていた。

台風一過とあって、最初は雲が多くあったが、
戻るころには、残暑の日差しとなり、川面が光を感謝し、
空の青と、橋の黒い影がなんとも涼やかな印象だった。

渡ったすぐ近くに、この地にゆかりがある
佐々木小次郎銅像があった。
やはり時代劇のように刀は長かった。
橋のそばには「槍倒しの松」というのがあり、
決して大きくはなかった長州藩の、ささやかな知恵が感じ取られた。

しばし「風光明媚」を楽しむ。