花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (16)

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伝播と歴史の遠景
晩酌にマッコルリを飲んだ。
今日のは、ツルニンジンマッコルリと書いてあって、飲むと朝鮮人参の匂いが残る。
飲む人の好みが分かれそうだが、一気に飲み干すと、のどごしが良い。
但し、自宅酒なので、一気にまわる。
まだ、焼肉が朝鮮料理屋で、マッコルリがそんなに認知されていなかった時代、
焼肉を食べに行くと、乳白色の液体の入った一升瓶の中は、子供の目にも魅力的だった。
甘く・ほのかに酸味を持つ液体は、大の大人が、どんぶりに表面張力まで、なみなみと注ぐように
店員を促しているところも、その想像力を掻き立てたものだった。
何か、ひっそりと楽しんでいたものが、グルメブームに乗って、一気に知名度が上がった。
今では、近所のスーパーですら、売っている。勿論、東京という都市が、
それだけ国際化していることも原因の一つではあると思う。
ただ、何か人間の欲望が、どんどん剥き出しになっていって、
それこそ畳を剥がすような好奇心(そしてそれは決してこころよいものではない)が
堰を切ったように溢れている。
マッコルリが、なぜ、長い間ひっそりと楽しまれていたのか、知っておいても良いと思う。
そこには、日本の歴史が垣間見える部分があるのではないかと思う。
ホルモンや革製品やサンダル。文化や経済には、必ずそこに潜む背景が存在する。
華々しい店舗やラッピングだけでなく、消費の際に、少しでもその遠景に眼がいくことを、想う。
そしてこの条文にある「門地」とは、おそらく1922年にあった「水平社宣言」の遠景があり、
その言葉にたいする「せめぎあい」が、人間のまだまだ越せない「障壁」を物語っている。
門地:いえがら、門閥

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
  政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、
  又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。