花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ガブリエル=バンサン『アンジュール』

イメージ 1

この本は、確か大学生のころ、お世話になっていた先生のお宅に行くとき、お土産で買った。
子供の教育方針などもあるかと思い、いろいろ考えた挙句に、たどりついた絵本だった。
この本には、文字がない。絵も「かわいい」というものではなく、鉛筆のデッサンによるもの。
ストーリーとしては、捨てられた犬が、そこから少しずつ歩き出し、様々な出会いを得ること。
勿論、こういったストーリーも読む人に委ねている本だ。
絵は、どことなく物悲しかったり、質感のあるようなものなので、他の絵本とは違う。
但し、話すことを知った子供には、ただ、なぞるだけではない、「ことば」を使った
想像力が生まれるのではないか、と思った。大人でも、読んでいて面白く感じる本だ。

以来、知り合いの出産祝いには、よくこの絵本贈っている。
最初にあげた、その教授の子供も今や大学生になっている。

3歳になる姪っ子にも、そろそろ贈る時期かもしれない。