花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(75) エレベーターに神様はいますか?

イメージ 1

今日も仕事が遅くなり、23時半に我が家のある団地にたどり着く。
1階には、コンビニが入っているので、そこでビバークしてから呼吸を整える。
最近、どこのコンビニにも野良猫が居ついていることに気づく。なかなかの三毛猫。
ある意味、人間の抱えたストレスのはけ口となり、やさしくなれる瞬間を演出する。
これは猫のもつ魔力なのだろうと思う。
ビニール袋をカサカサするだけで、尻尾を振って、すりよって来る。
以前は構ってやらないこともなかったが、
ここのところ、疲れがたまっているので、相手にしない。

さて、なぜ一呼吸が必要かというと、23時半を過ぎると、うちの団地のエレベーターは
強制的に各階停止になる。以前は何の問題もなく、利用階に直行したのだが、
少し前に話題となった事故で、エレベーター会社が、
極度の神経質になったことが原因と思われる。
ちなみに、このエレベーターもあの「シンドラー」が管理している。
確かに事故のあった直後、何度となく修理に来た。何を直したんだか分からない。
しかし迷惑なのは、この団地にはエレベーターが1台しかなく、
おまけに1・4・7・10・13階にしか停まらない。
作った設計者が本質的なアホと思うが、仮に13階に住んでいても、
なぜか階段を利用しないと帰宅できない。エレベーターの停まる階と
そうでない階の利用者の不満をなくすために便利を不便で釣り合いを取ったのだろう。
ユニバーサルデザインのかけらもない設計。
勿論、エレベーターが使えなくなれば、階段で行き来するしかない。

で、この各階停止がイライラする。まず、エレベーターのドアが閉められない。
「バ!(リアルな音の表現でいうと)」という大きな音が鳴って閉まるまでは放置される。
これは、理由を聞いてみたら、「防犯」のため、とのこと。今ひとつ釈然としない。
「防犯」というなら、エレベーター会社を変えた方が
よっぽど「防犯」になると思うのだが…。

今日は、最悪なことに間違えて10階で降りてしまった。
エレベーターのゴンドラが、無常にも目の前を通り過ぎ、誰も乗せていない姿を
表すまで、5分近くかかる。

エレベーターの中は、確かに密室。数年前までは、なぜかそこに排泄物を
置いていかれることが多発した。
人間のものか、ペットのものかも分からない。
人間でもマーキングの習性はあるのだろうか。
ある日、「○○するな」という警告文と神社の鳥居の絵が貼ってあった。
効果があったのかはわからないが、その被害は次第になくなった。
恐らくは、防犯カメラが入り、原因となった人物かペットが
いなくなっただけの話かもしれない。

もし、エレベーターに神様が宿っていたとしたら、どんな気持ちで、
今までの、一つひとつのことをを受け入れたのだろう。想像するにゾッとする。
(今回、やや川上未映子風…)