山崎ナオコーラ 『論理と感性は相反しない』
15編からなる短編小説集。
何となく作品ごとのつながりがあり、
妙な連関もあるという、いろいろな仕掛けのある
意欲的な書き下ろし小説。(若干習作的な感じもある)
読んでいてそのつながりも楽しめる。
言葉の面白さもあった。
…………………………………………………………………………………………………………
カトウ、スランプにおちいり、歌詞が書けなくなる。南紀白浜にひとり
旅。海岸であぐら。すると、砂粒と砂粒の間に、歌詞が隠れているのを
見つける。拾い上げる。五線譜の上にさらさらと砂を落とすと、歌詞に
変わった。(「架空のバンドバイオグラフィー」)
…………………………………………………………………………………………………………
短い句点は、臨場感をかきたてる。
…………………………………………………………………………………………………………
オレはバンドのなかでネギのような存在だ。
ぐつぐつ煮える鍋の具に、例えるならば、ボーカルのカトウは鮭、ギターのマツモ
トはじゃが芋、ドラムのイワモトは三つ葉、タンバリンのミヤタはマロニーそして
ベースのオレはネギに位置している。(「素直におごられよう」)
…………………………………………………………………………………………………………
結構、バンドのメンバーって自分の立ち位置を気にするんだよなあ。
マロニーいいなあ。ちなみにマロニーは自分の大好物。
恐らく自分の分身とも思える矢野マユミズなんかの生涯や、
あとがきなどを見ると、結構小市民チックなところもある。
それを魅力と思うのも良いとは思うが…。
最近、自分を卑下しながら、その自虐キャラで、
がっぽり稼ぐ人も多いしなあ、とも思う。
いずれにしても、野心のある人となり(作品)であることは
いうまでもない。
何となく作品ごとのつながりがあり、
妙な連関もあるという、いろいろな仕掛けのある
意欲的な書き下ろし小説。(若干習作的な感じもある)
読んでいてそのつながりも楽しめる。
言葉の面白さもあった。
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カトウ、スランプにおちいり、歌詞が書けなくなる。南紀白浜にひとり
旅。海岸であぐら。すると、砂粒と砂粒の間に、歌詞が隠れているのを
見つける。拾い上げる。五線譜の上にさらさらと砂を落とすと、歌詞に
変わった。(「架空のバンドバイオグラフィー」)
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短い句点は、臨場感をかきたてる。
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オレはバンドのなかでネギのような存在だ。
ぐつぐつ煮える鍋の具に、例えるならば、ボーカルのカトウは鮭、ギターのマツモ
トはじゃが芋、ドラムのイワモトは三つ葉、タンバリンのミヤタはマロニーそして
ベースのオレはネギに位置している。(「素直におごられよう」)
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結構、バンドのメンバーって自分の立ち位置を気にするんだよなあ。
マロニーいいなあ。ちなみにマロニーは自分の大好物。
恐らく自分の分身とも思える矢野マユミズなんかの生涯や、
あとがきなどを見ると、結構小市民チックなところもある。
それを魅力と思うのも良いとは思うが…。
最近、自分を卑下しながら、その自虐キャラで、
がっぽり稼ぐ人も多いしなあ、とも思う。
いずれにしても、野心のある人となり(作品)であることは
いうまでもない。