文學界三月号所収。
しばらく忙しく本が読めなかった。
読めないのは時間が無い以上に、視力が耐えられなかった。
芥川賞受賞後の第一作目というふれこみ。
確かに『乳と卵』にも通底するような展開。
自己の思索⇒暴走する妄想⇒現実との葛藤⇒実際の暴走⇒劇的な破綻
それが、わずか10ページほどの文章に盛り込まれている。
文体が軽やかで、思うことがあっちこっちいっても
決して飽きさせず、置いてけぼりにしない。
それが、不思議な共感というか、逆説的な現実味を帯びてくる。
勢いがあるなあ、と感じた文章。そう、勢い。