花鳥風月記

流れる水に文字を書く

レス・ポールの伝説

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渋谷のアップリンクXにて。
ギブソンレス・ポールギターを、また多重録音技術を開発し、
そして往年のヒットチャートを賑わした伝説の、
そして90歳を超えても現役のギタリストを追ったドキュメンタリー。

世界を席巻するミュージシャンが悉(ことごと)く尊敬している。
なかでも衝撃的なのが、ジェフ・ベックがインタビューで語っていることだった。
こんなシーンもあるもんだ、と。
エディ・ヴァン・ヘイレンも少し出ていたが、
ギターの技法云々よりも、より音が美しい、というところに
力点を置いているようだった。(なので登場時間はほんのわずかだった)

先駆者の努力とは、ひょんなきっかけから始まる。
ギターのピックアップシステムを作るときには、電話や送電線に着目し、
テープレコーダーを見れば、二台繋げようとする発想など、
旺盛な好奇心がなせる業ではなかっただろうか。

技術の先駆者は、当然後追いが来るまで、独走となる。
滅多に耳にしない、往年のレスとマリーの楽曲は新鮮味を覚えた。
やがて時代はロックとなり、一線を退く形にはなったが、
今でもニューヨークの片隅で、ライブを続けている。

レス・ポールギターに搭載されるハムバッカー・ピックアップの
中低音域の甘く柔らかい、そして温かみのある音が流れるたび、
音に惚れ込むとはこういうことなんだなあ、と感じた。

今更ながら、レス・ポールが欲しくなる。
うちにはストラトキャスターがあるけれど…。