花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (70)

どうせすぐやめ(る)んだろ

アルバイトや仕事をしている時に、たまに仕出し弁当が出ることがある。
食事に弁当を頼むメリットは何か、と今考えてみると
1.安い
2.手間ひま省ける
3.栄養のバランスが良い
ではないだろうか。勿論、3.については業者の努力にもよるだろう。
しかし「美味しい」というのは、どうにも思い当たらなかった。
美味しいものはそもそも「仕出し」されるものなのか。
仕出し弁当屋の営業のフレーズが実は1~3なのだろう。
本当に物心とも充実した「お昼休み」なら、
食べるものにも時間・手間ひまはかけるだろう。
そして「選ぶ」だろう。
仕出し弁当はどちらかというと「消極的選択」に近い。
(注:仕出し弁当を否定しているわけではない。ありがたい存在であることに間違いない)

この前まで、政府与党が総裁選という「仕出し」を行っていた。
12日間をかけ、全国を行脚して、色んな言葉が空を舞ったと思うが、
本当に良いものなら、関心のベクトルはもっと向くはずだ。
冒頭の「どうせすぐやめ(る)んだろ」は総裁選の投票用紙にあったそうだ。

無効票であることには違いないが、
同時に空腹でいることの覚悟も必要であることを
書いた本人は気づいているか。

第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を
      否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職
      をしなければならない。
第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて
     国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
第七十一条 前二条の場合には、内閣は、新たに内閣総理大臣が任命される
      まで引き続きその職務を行ふ。