花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (78)

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寒さと温かさの間

所用が重なり、久しぶりに京葉線に乗って帰宅することになった。
豊洲から有楽町線、新木場から乗換え。
かつての雰囲気とそうは変わらないが、
利用者数は格段に増えた気がする。

海岸線を走る電車ならでは、ということもあるが、よく強風で止まる。
その日は冬には珍しい大雨と強風で、電車のダイヤが大幅に乱れた。

京葉線の地上ホームのどこにも言えることだが、吹きっ晒しで寒い。
なかなかこない電車を待つのは寒さが堪(こた)える。
そんな時は、待合室に逃げ込むのも手だが、
新木場駅には待合室がなく、代わりにとても狭いコーヒーショップがある。
売店も、一応ドア付きで風をしのげるようになってはいるが、長居はできないだろう。

確かに、乗換駅としての需要をみれば、ここに小さいながらも店を構えるのは
経営的な発想として悪くはないが、ある売上の向上のために、
人々が暖を求めるべき場所がなくなるのはいかがなものか。

さして高額を払う対価として得られるという訳ではないが、
なんとなく、そこで暖をとる人とそうでない人を見てみると、
駅と電鉄の「こころ寒さ」が伺われる。

「あたたかさ」には、物理的というか熱的なものがあるのと同時に、
こころに沁みるような、人としての優しさによるものもある。

コートに身を包む人間は、内側の暖かさの反面、表面の冷たさを感じることがある。
人が人として、ほんとうにあたためなければならないことは何だろうか?

何かに守られ、温められることは幸せなことかもしれない。
しかし、外の冷たさを感じようとし・感じるからこそ、
もっと温め合えることもできるのではないのだろうか。


第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官で
      これを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
    2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙
      の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員
      総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
    3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その
      裁判官は、罷免される。
    4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
    5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達したときに退官する。
    6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、
      在任中、これを減額することができない。

     ※第六章「司法」は「外套」と読み替える。