花鳥風月記

流れる水に文字を書く

大阪ハムレット

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シネスイッチ銀座にて。

大阪の(おそらくは)ごくありふれた家庭の、
やや非日常的なことが続きながらも、
家族や人のつながり、愛について物語は進んで行く。

原作は森下裕美(『少年アシベ』)のマンガらしい。
原作を読むと、かえってそことのギャップが気になるものだが、
今回は、原作の有無もなく、楽しめるのではないだろうか。

松坂慶子岸部一徳は、小栗康平の「死の棘」でも共演していた記憶がある。
そのせいか、絶妙のコンビネーションだった。
松坂慶子大阪弁の不自然さはご愛嬌だが、
いつの間にか「魅力あるおっかさん」がハマリ役になっている。

監督は東京出身で、恐らく「大阪」を
「うちとそと」の両方の眼で描こうとしたのではないか。
東京の人間も、大阪の人間も、すこし「?」を感じながらも、
楽しめ、じーんとくるものがあるのではなかろうか。

若干のツッコミをいれるなら、本上まなみは大阪キャラだが、
役としては、今ひとつかなあ、と思った。
ロケは、大阪だけではなかったようで、川べりの撮影は、
明らかに浦安でやっていたのが分かってしまった。

邦画としては佳作だと思った。