花鳥風月記

流れる水に文字を書く

そして、私たちは愛に帰る

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シネスイッチ銀座にて。

ドイツとトルコを交差する、3組の親子の関係を
複雑に絡み合う「愛」と「死」をテーマにした作品。

最初の印象は、一昨年みた「BABEL」を思い出した。
各シーンで、物語が複雑に絡み合う。
そして交差するシーンがふんだんに入り、しかも
「ありえない」わけではないその「輪廻」というか
「巡り合わせ」が絶妙だった。

ストーリーには、移民問題・トルコの政情・親子の愛が
深く描かれている。
いわゆる「第一世代(一世)」の生き方を
子の世代「第二世代(二世)」が抗(あらが)う。
そこには、親子ともども知りえなかった、
世代どうしの葛藤があり、そしてそれが、
目の前でわかり「和解」ということでなく、
「死」という別れで、分かり合う機会を失う。

しかし、どんな状況においても「やりなおせる」ということが、
人間の強さであることも描いている。

主人公の父子の間にあった本が何となく
この映画のキーワードのようだったが、分からず残念だった。
(本のタイトルは『鍛冶屋の娘』という本らしい)
この映画、相当深く作りこんでいるんじゃないかと思った。
なかなか面白かった。