花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (86)

カバンの中

折り畳み傘や本・雑誌は大体の人が入れているだろう。
化粧品・少々の薬品・ソーイングセットも入れる人はいれるだろう。
最近は、携帯サイズのお菓子や飲み物も入れている人も多いようだ。

はさみ・定規・三角定規・分度器・マジック・計算機…。
これらは、自分がいつもカバンの中に入れているもの。
以前は、のりとホッチキス、小型の懐中電灯も入れていた。
こうなると、どんな職業か分からなくなるかもしれない。
それも、最近流行りの小型ノートPCは持っていないし、
2年くらい前まで、携帯電話も持ってなかった。
旧タイプのビジネスマンといったところか…。

そういえば、上記の備えで助かったものは何か。
ホッチキスは、大学生の頃、急に作文の提出を求められ、
みんなが角を折りこんでいるところを「パチン」とやって
注目を集めた。ちょっとだけ優越感を覚えた。
せいぜいその程度。

懐中電灯は、社会人になって1年目の時に、
職場が急な停電になった時に役立った。
そこでも、注目され、個人的な株も上がったような気がする。
後日、職場のエライ人も、懐中電灯を買った様だが、
定年まで、きっと一度も使わなかっただろう…。

かさばる荷物は、避けるようになったものの、
ああ、これがあれば、という状況は常に「たまたま」だし、
不測の事態は、「不測」だからこそ起こる。

備えがあれば、憂いはないが、
最近は、コンビニのおかげで、荷物が少なくても良い状況になった。
今は個人の株よりも、コンビニの株が上がってるかもしれない。
でも、それが「当たり前」になっている世の中も、ちと恐い。

カバンに入っているものも、コンビニで買い足したものが、そのまま残っている。
そのせいか、筆記具の類は、結構増えてしまう。
一般的に、特にボールペンは、よほどのことがない限り、
一本を使い切ることはなくなっている。
そのほとんどが、途中で紛失するか、新しいものに替えてしまう。
それだけ、モノを大事にしていない、ということなのかもしれない。

準備をしておくことは、先のことを見越して、という感覚を養うのもよいと思うが、
反面、「あれば安心」という一服の清涼剤にも思える。
まあ、いつもカバンは「意味なく重たい」が…。


第八十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、
      内閣の責任でこれを支出することができる。
    2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を
      経なければならない。