花鳥風月記

流れる水に文字を書く

エル・カンタンテ

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銀座のシネスイッチにて。
1ヶ月くらい経っているせいか、客足はイマイチ。

サルサの声”と評されるエクトル・ラボーの栄光と挫折を
その妻プチのインタビューと回想によって、ストーリーが綴られる。
ニューヨリカン(ニューヨークのプエルトリカン)魂を大事にする
ジェニファー・ロペスがプロデュースし、主人公は夫のマーク・アンソニー
妻のプチ役を自ら演じている。

1970年代、80年代の時代背景が縦横無尽に展開し、
酒やドラッグに溺れ、ついにはエイズまで罹った
主人公の破滅が描かれている。

プチ役のジェニファー・ロペスも、情熱的なキャラクターを
見事に演じている。(情熱的、というのも七難隠すのかもしれないが…)

この映画は、完成度云々、というよりも、主人公を演じた
マーク・アンソニーのカッコよさが際立っていた。
容姿は勿論のこと、歌声がとても艶やかだった。
特に歌のシーンは、英語字幕がPVのように工夫されている。
音楽の激しさが、ハードロックやパンクとは違い、
どことなく血の通った、温かみのある激しさを感じる。
サントラ盤が聴きたくなった。

タイトルにもなった「エル・カンタンテ」は、エクトル・ラボー自身を
歌ったもので、どことなく哀愁を帯びた、それでいて明るいリズムで、
好きになった曲だが、なんかどっかで聴いたことがあるなあ、
とずーっと思った。

そうか、清水健太郎の「失恋レストラン」と同じメロディだ、と気付いた。
いろいろな意味でちょっと似ているかも、と思った。