花鳥風月記

流れる水に文字を書く

William Ackerman 「Passage」

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ウィンダム・ヒル レーベルの由緒正しき聴き方は、
1.まず森を探す。幹が太く結構な密集度があれば、迷わず行く。
2.音楽のスイッチを入れる。
3.視界を水平から上方30度に向けて往復させる。
そしてしんみりする。
雪が降っていればなお宜しい。

大学が多摩にあったため、この音楽の雰囲気にどっぷりと合った。
部室から雪が積もった外を眺めると、その瞬間だけ
都心から外れた校舎で良かった、と思った。
まあ、そう思ったのはそれくらいだったが…。

電気・電子音楽が全盛の頃、アコースティックな音楽で
いわゆる「癒し」として支持されていた。
日本には、ややタイミングがずれていたかもしれないが、
耳に優しい音楽は、心にも優しい。
「The Impending Death of the Virgin Spirit(無垢の心と誘惑の影)」がとても良い。

当時のレーベルには、ジョージ・ウィンストンやマイケル・ヘッジス、
ジャズレーベルには、タック&パティがいた。

いまや、三々五々になってしまい、このアルバムも廃盤のようである。
しかし、今になっても、心癒される。間違いのない名盤でもある。