花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(185) 年の瀬とユズリハ

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帰宅途中の遊歩道は、夜10時を過ぎると、人通りも少ない。
この時期、凛とした寒さと静けさのなか、街路灯が煌々と光っている。
直接当たるものもあれば、間接的な照明によって、
ぼんやりと緑色が浮かんでいるものがある。
初夏の時期であれば、それは紫陽花が美しい。

この時期は、やや中空にぼんやりと浮かぶ姿があった。
樹木を知らせる案内版があり、その木と由来を教えてくれる。
偶然ながら、その木が「ユズリハ」と分かった。
ユズリハの由来は、古い葉が新しい葉に譲るように落ちてゆくことから。
正月の飾り物に使われる。

常に青々とした葉を湛えながらも、常に同じ葉ではない。
鴨長明のような無常観も覚えながら、家路を急ぐ。

もうすぐ、年が明ける。