花鳥風月記

流れる水に文字を書く

時をかける少女

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銀座のシネスイッチにて。

昔、原田知世の映画を観た。1983年の作品だから、
中学生か、恐らくは高校に上がってから観たんじゃないかと思う。
大林宣彦監督の「尾道三部作」が好きな同級生がいて、
彼らに連れられたか、どうだか…。内容もあまり覚えていないが。
ただ、原田知世柏原芳恵(いや、もしかしたら松田聖子かもしれない)の
どちらが良いのか、彼らが熱く語っていたのを思い出す。
その頃には、当然「オタク」という言葉はなかった。
ま、そのうちの一人は、ラグビーをやっていたが…。

監督の谷口正晃は、1966年生まれだから、ほぼ同年代。
1974年にタイムリープ(タイムスリップし、テレポーテーションもする)した
シーンは、どことなく懐かしさを感じた。
特に、ラジオの前にあった。五輪マークの入った赤いヨーヨーを見たときは、
「あった!」と心の中で叫んでしまった。
但し、谷口監督としても、当時は、8歳なわけだから、「同時代」ということでもない。
それが返って、フィクションとしての構図を組み立てやすくしたのではないかと思う。

母親の命を受けて、タイムリープした主人公、芳山あかりが、
メッセージを届ける相手、深町一夫を探しながら、
両親や自身の淡い恋の場面に直面する。
それと対照を成すように、「歴史を変えてはいけない」という
厳しい現実によって、その恋も儚くも消える。

記憶には、残らずも、その想いが時空を超えるか、
最後は、そんなスパイスも効かせている。

公開時期も関連してか、劇中には、桜がキーとなっている。
桜は、主人公が女子の場合、よく使われるなあ、と思う。

相手役の中尾明慶は、「金八」の頃よりもだいぶ男らしくなったが、
やはり二の線では終わらなかった。まあ、そういうキャラなのだろう。

角川映画の栄華を極めた時代の印象をそのままに、
どことなく、青春を思い起こさせるような映画だった。

そういえば、今はアメリカでも活躍している(だろうと思われる)女優、
工藤夕貴(「ああ上野駅」の井沢八郎の娘)、「お湯をかける少女」として
カップラーメンのCMをやってたなあ、とふと思い出した。