花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (32)



「奪」という言葉の中には、必ずといっていいほど、
WIN-LOSE関係がある。
そこには力関係が存在し、必ず勝つ側と負ける側がいる。

百戦錬磨という言葉があるとおり、経験者は強い。
逆に初心者は、賭けでもない限り、ビギナーズラックはない。
経験者の掌の上で弄ばれ、全てを失う。

時に経験者は、戦術に溺れ、自己保身にも走る。
さればこそ、初心者=弱者を守る方法が必要となる。
「永遠の勝者」というものが非現実的であればこそ、
「永遠の盾」が必要であって、
それが永い歴史のなかで獲得された、民主主義ではないかと思う。


第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。