花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(258) 4月バカ考

4月1日になると、人はなぜかウソをつきたがる。
言うまでもなく、4月バカ(エイプリル・フール)だからだが、
聞くところによると、午前にウソをついて、午後にはそのウソを伝えるという。
その様は、むしろ律義さすら伺える。

4月バカを年中行事としてせっせとはげむ姿こそ、
ほんとうの「4月バカ」ではなかろうか。

ウソをついて、気づく前に伝えるなんて、
マッチポンプのようで、味気ない。

おそらく、ウソのつきかたがなってないんじゃなかろうか。

確かに、ウソをつきなれてない(ま、大体がそうだろうが…)から、
その加減がつかめない。
相手に禍根を残したくない、という気遣いというか、なんというか…。

ならば、スマートなウソをつくべきでは、と思う。
といっても、ウソに階級があるわけではないが、
すこし「悔しい」程度の、ふっと笑えるようなウソをつくのが
ついた側も、つかれた側も楽しめる、というものだ。

例えば、初めて飛行機に乗る人に
「飛行機が土足厳禁だから、スリッパを持っていくといいよ」
とか、実害はないが、悔しい想いをさせるとか…。
(実際は国際線ならば、スリッパはあった方がいいだろう)

だから、これからの4月バカは、
「高度なウソ選手権」なるものがあると望ましいだろう。

ま、これもやったらやったで「ウソでした」というオチが待っている気がするが…。