花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(269) ちんどん屋考

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今日は昼からの出勤。
高田馬場に着いて、まず耳目を引いたのはちんどん屋の演奏だった。
「ああ、ちんどん屋か」とは思ったものの、
不意にその演奏が素晴らしく、
とりわけサックスの音が良かったのが
印象に残った。

高田馬場は、駅前のパチンコ屋の自己主張が強いので、
折に触れてその姿を見ているが、
考えてみれば、あまり見かけなくなった。
職場の二十代の若者は、まったくわからないようだった

自分たちがまだ子どもの頃、30年以上前になるが、
下町では健在だったように思う。
スーパーの新装開店には、必ずやってきて、
一緒に練り歩いたような記憶がある。

そんな記憶すら思い出すのが珍しくなるような時代である。

やはり、無機質に流れる音楽(騒音)よりも、
ちんどん屋の方が心地よい。
おそらく、ちんどん太鼓は確かに響くが、
リズムは割とゆっくりであり、サックスの音が柔らかい。

おまけに演奏していたのが、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」。
いつの間にやら、ちんどん屋の音が癒しになってしまった…。