花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (56)

可否


可否を決める手元はどこにあるのだろう。

沖縄では、オスプレイの配備に反対する集会で10万人以上集まった。
ヘリコプターの大学構内への墜落事故の記憶も新しいなか、
「未亡人製造機」と呼ばれる危険な鉄の塊が頭上を通るのは確かに、恐ろしい。

目下、政治家は、オスプレイの墜落よりも、自分の墜落の方が怖いのだろう。
もちつもたれつ、足では蹴とばしあう政権与党と野党第一党
党首選・総裁選も混迷を極めている。

国会が空転し、おカネがまわらないなか、
総理大臣は、そのつぶらな瞳を輝かせ、ロシアへ行った。
自分が歴史になってしまう前の花道、と思っているかもしれない。

原発を稼働させなくても、この夏の電力事情はなんとかなったようだ。
それでも、「諸々の手続きをふんで」原発は動き、
そして電気代は値上げされた。

「決められない政治」と煽ったメディアによって、
「決めたふり」をしてしまったがために、互いのエゴが剥き出しとなり、
ついには身勝手な選択肢だけが残された。

可否はただ、空中を舞っているような気がしてならない。
いつか墜落することを待ちながら…。


第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、
      議事を開き議決することができない。
    2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、
      出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の
      決するところによる。