花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (57)

特に秘密を要する


秘密をいろいろ考えてみると、
国としての利害をともなうものと
個人としての利害をともなうものとは違うように思われる。

いわゆる「公と私」の問題であるが、
およそ、選良たる国会議員が「公」であることは少なく、
保身に汲々するという印象が拭えない。きっと誰もがそう思う。

それは、選良たるべき人物を選ぶ眼にも
損得勘定があるからであり、選良はその利害と己を
重ねあわせているからでもある。

つまりは、選挙に勝つ・負けるという価値判断そのものが、
私としての利害に限りなく近づいてしまうという問題を孕む。
力を得れば自分に有利にしておきたい。自然と「秘密」が私のモノとなる。


究極の民主主義とは、負けた人間が溌剌と生きている社会ではないだろうか。


第五十七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数
      で議決したときは、秘密会を開くことができる。
    2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に
      秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に
      頒布しなければならない。
    3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを
      会議録に記載しなければならない。