花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(2) 一円玉の取り戻し方

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ある日、バスに乗り込む際、100円玉を間違えて、1円玉を入れてしまったことがある。
バスの料金表には1円の表示まで出ていたが、おカネは返ってこない、と運転手は言う。
仕方ないので、言われるままに、停留所近くのバス定期売り場へ行くと、営業所まで行ってくれ、
とのこと。1円を返してもらうのに、200円(往復で400円)かけるのか、と聞くと、
なら、ここへ電話してくれ、と営業所の電話番号を渡された。
それにしたって1円を返してもらうのに10円以上使うことになる。
まわらない「たらい回し」みたいなもので、泣き寝入りしろ、とのことなのか…。
意地になって考えた末、9円用意して、バスに乗る際、交渉してみることにした。
「この前、1円が返ってこなかったので、9円出すから、10円で返してくれ」と運転手に話す。
1台目、断られ、しぶしぶバスに乗る。2台目でようやく返してもらう。
きっと1回言った後に「こんな乗客がいた」とチェックされたのだろう。
もちろん、そんなことでなくても、何度でも言うつもりだった。
案外、安いものほど、意地になるものだ。