花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (62)

国政に関する


安倍「とりもどし」政権にて、最初は経済面を重視して
アベノミクスなる「造語」まで作って、旧来型の金融緩和を
大々的にやりつつ、選挙ではしないと公言していたTPPへの参加も始まる。

しばらくは、良い面を強調して、今夏の参院選で勝ったら憲法改正に向かうだろう。
これは、誰しも予期している。

不思議なことに、こういった流れの中で、あまり国内の摩擦が見えてこない。
メディアが見せていないのもあるだろう。
今日のニュースでも、TPP参加の事前協議のなかで、
自動車産業にたいして、日本は米国に一定の譲歩をした、とか
先日は、沖縄の普天間以南の基地の返還を2022年までといったのを
2022年以降にするなど、結局は今まで来た道に戻っている。
無論、原発の再稼働なんてのもある。

そんななかで、憲法改正にこだわるのはなぜか。

安倍氏のこだわりも当然あるだろう。
しかし、一連の流れを見ると、日本はあらゆる交渉に及び腰で、
自分から強く主張することはなかった。

憲法改正の流れは「時の為政者が責任を持ちたくない」から
変えるのではないか、と思うようになった。

今の憲法では、外国から攻められたら交戦できない云々言うが、
その時は憲法に違反してでも決断できる(英断とでもいうのか)
宰相がいれば良いだけだ。

憲法で交戦権が認められてるから」という理由づけで
当人(宰相)の責任を回避できるようなものが果たしていいのか。
平和憲法で平和を守りつつ、例外があるならそれに対応できる
そんな民主主義の成熟を放棄しているように思えてならない。

同時に、憲法改正の動きはどう見ても、日本の中から以上に
外国(米国)からの圧力に思えてならない。
自主憲法という声もあるが、その力で動いているよりも、
外圧の方が政治家にとっては喫緊の課題であり、
そう動いているようにしか思えない。

国土、まさに荒れんとす。


第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、
      証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。