花鳥風月記

流れる水に文字を書く

地獄でなぜ悪い

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新宿のバルト9にて。満席だった。

園子温監督作品。

最近、各メディアから注目され、
ヒミズ」や「希望の国」で社会派的な見られ方を
打ち破るために?つくられたスプラッタ・エンターテインメント。
どうやら、コケが生じないように、一生懸命転がっているようだ…。

一世一代の「一本」の映画を撮るために
病的に、というか狂気に満ちた映画への偏愛をもつ
「ファック・ボンバーズ」が、
ふとしたきっかけで、ヤクザの抗争に巻き込まれつつ、
その一本を命がけで作り上げるストーリー。

何かをモチーフで、何かのオマージュで、何かをパクる。
そんな傍若無人な無茶ぶりをする園子温を、観客はきっと好んで観る。
きっとそういうナンセンスに酔いしれる。
…だって自分じゃできないから…(大半の人はきっとそうだろう)
そこに作り手と観客の共犯関係が成り立っている。
だから、園子温ファンは、根強いというか、しつこそうだ…。

この映画に成海璃子が出ていたが、
以前、「冷たい熱帯魚」を観に行っているところで出くわしたことがある。
その時、「制服割引」というのがあって、演技ではない制服姿を見てしまった…。
その頃からのファンであれば、園子温が望んでいたとパンフレットにあったが、
きっと本人も望んでいたのだろうなあ、と思った。

さて、この映画も後半には、大量の血が噴き出すシーンが画面いっぱいに出てくる。
そしてなぜかそれが、眉をひそめる前に、何がしかの感情(笑いや清涼感?)を醸し出す。

やっぱり最初の歯磨きCMの愛らしい姿が、先制打撃としては
かなりインパクトがあったと思う。
頭のなかで、メロディが未だにぐるぐる回るし…(笑)。