花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 三次・灰塚ダムの旅 その4

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山に向けてクルマを走らせる。
左側に湖面が広がる。
かつて映画で観たような、大噴水が湖面を彩る。

程なく、待ちに待った瞬間が訪れた。
近くにいった小高い山のほんの先のところに
「船」はあった。

映画での姿は、若干左側がはみ出ていたような印象だった。
姿はそのまま変わらなかったが、若干無理な力がかかりそうな
その左側の、木材でできた骨格は、崩れていた。
目に映った印象としては、ナウシカ王蟲?の成れの果てのような感じ。
「船」の周りには草木が鬱蒼と取り囲み、
まさにそれを飲み込んでいくかのようだった。

そう、まさに「船、山にのぼる」から
「船、山に還(かえ)る」そんな船旅を想起した。
しばし、噴水と「船」をぼんやりと眺めながら、
台風が気になり、取って返した。
(つづく)