花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(301) 取り戻す考

現政権のキャッチフレーズが
「日本を、取り戻す」

その諮問機関が、
教育再生実行会議」

その底流には
「かつてあった何か」を
求めているようだが、
それが何か判然としない。

「経済的な繁栄」といっても
そこには長時間労働や公害が存在し、
「平和な暮らし」というのも
様々な外交関係(核の傘)も存在していた。

それよりも、今を生きる人々が
「昔に立ち返る」という思考では、
まず、無理が生じるだろう。

なぜなら、そこに関係してきた人々の
「良いこと」も「悪いこと」も集積して至ったのが現在なのだから。

「良いこと」ばかりを追い求めていることに
不安を感じる。

それは、明らかに豊かであったと
誇張してきた国民性の「負の部分」であるから。

「負」であることを知る人間は、無神経になれる。