花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (92)

本旨に基いて


消費税を8%から来秋10%に上げることを見送ってから、
安倍首相は衆議院を解散した。

あまり見なかったが、きっとテレビでは会見の映像が延々と流れ、
自説を教鞭していたのだろう。

大叔父の佐藤栄作首相は、退陣の記者会見の時、新聞を締め出して、
テレビに向かって強弁していたことがあった。そことどこか重なる…。
今回は、新聞を締め出してはいないだろうが、昨今の新聞叩きをみれば、
血は争えない、という感もある。

さて、今回は「アベノミクスの信を問う」ということらしいが、
当然それだけではない。議席を減らしても、再びフリーハンドを手に入れたい、
ということが見え隠れする。

原発再稼働、沖縄基地問題再軍備問題など、ひとたび「信任」と
解釈したら、ハンドルを右に回すだろう。

一強多弱と言われる野党も、「第三極」が短い役割を終えつつある。
大樹に寄るか、うたかたと消えるか。

師走の選挙という前代未聞の事態は、明らかに投票率の低下を意図している。
組織票に頼る与党ならば、ということだろう。

時の政権の欲しいがままにするか、
ここに住む人々の幸せを願うか

本旨は一体どこにあって、候補者はマイクを握るのか。


第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、
      法律でこれを定める。